鬼狩り29 ページ29
〜貴方サイド〜
鬼の気配は町から完全に消えた。
私は冨岡さんと二人で、西岡さんの体を埋めて弔った。
せめて天国で旦那さんと幸せになれますようにと、手を合わせて祈った。
____夫婦の幸せを奪った元凶と同じ『鬼』である私に、そんなことをする資格なんてないかもしれないけれど。
貴方「冨岡さん。任務を手伝ってくださり、ありがとうございました」
別れ際、私は冨岡さんに改めて礼を言った。
冨岡「気にするな。鬼を倒せて何よりだ」
冨岡さんは私に背を向け歩き出したが、ふと足を止めて振り返った。
冨岡「……A」
貴方「はい! 何でしょう?」
冨岡「1年か、2年か……それくらい後に、俺の後輩にあたる鬼殺隊士が入るかもしれない」
冨岡さんの後輩というと……冨岡さんは水の呼吸の使い手らしいから、同じ流派の人かな?
冨岡「今は俺の師である、鱗滝左近次のもとで修行しているはずだ。
最終選別に合格すれば、お前の後輩にもなる。
その時は……仲良くしてやってほしい。彼が、どんな事情を抱えていたとしても」
貴方「もちろんですよ!
事情なんて関係ありません。同じ鬼殺の剣士として、ぜひ私も仲良くなりたいです!」
そう言い切ると、冨岡さんは変わらず無表情だったが、どこか安堵したように感じられた。
そして、今度こそ私の前から去っていった。
冨岡さんの後輩の剣士か……きっと強いんだろうな。どんな人なんだろう?
____
それから私は、与えられた任務を着々とこなしていった。
ひたすら鬼を倒し、ときどき藤の花の家紋の家に立ち寄ってはお世話になる。
みんな優しくて、人間の温かさを感じることができる。そしてその度に、頑張ろうという気持ちが沸き立った。
任務の合間に鬼舞辻を探したりもしたけど、あの野郎は気配を隠すのだけはどんな鬼にも勝るので糞食らえだ。
鬼舞辻がいると信じて乗り込んだ先が、十二鬼月のうちの一体……下弦の鬼の住処でした、なんて時もあった。
襲われたので反撃し単独で討ち取ると、鎹鴉にものすごく驚かれた。
____そんなこんなで、気づけば鬼の討伐数は40を超えていた。
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サリア(プロフ) - きのこさん» コメントありがとうございます!そう言っていただけて嬉しいです(´∀`*) 更新頑張ります! (2020年3月2日 11時) (レス) id: 5231526d40 (このIDを非表示/違反報告)
きのこ - この作品超好きです!!更新頑張って下さい! (2020年3月1日 23時) (レス) id: 45b1b66d37 (このIDを非表示/違反報告)
サリア(プロフ) - ふ ろ ふ き 大 根さん» コメントありがとうございます!更新頑張ります!(*´∇`*) (2020年2月28日 19時) (レス) id: 02855f94f3 (このIDを非表示/違反報告)
ふ ろ ふ き 大 根(プロフ) - ストーリーめっちゃ好きです!!続き楽しみにしてます( ・∇・)更新がんばってください!! (2020年2月28日 16時) (レス) id: cfd0445662 (このIDを非表示/違反報告)
サリア(プロフ) - りんさん» コメントありがとうございます!神作品だなんて…嬉しいです(´∀`*) 更新頑張ります! (2020年2月27日 23時) (レス) id: 02855f94f3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サリア | 作成日時:2020年2月26日 15時