鬼狩り3 ページ3
〜貴方サイド〜
雲取山の近くにある町は、雪で白く包まれた中でもいつも通り賑わっていた。
私は今日も雪を踏む感触を楽しみながら、薬草や薬の入った籠を背負って町中練り歩く。
「あらAちゃん、今日も薬売りかい? 女の子なのにいつも頑張ってるねぇ」
顔馴染みのうどん屋のおばちゃんが、そう声をかけてくる。
貴方「はい! もうすぐお正月なので張り切っちゃって」
「本当にいい子だね。そうそう、腹痛の薬はあるかい? 旦那が悪いもん食べちまったみたいで、昨日から大変なのよ」
貴方「悪いもの……ですか?」
悪いものにも種類がある。毒キノコなどの類か、あるいは腐りかけのものを口に入れてしまったか。
そうした情報からもっとも適した薬を調合するのが、私の得意技だ。長年の経験で培った。
本当は、“術”であっという間に治すこともできるんだけど……それをやると、人間じゃないってバレるから絶対やらない。
「腐った果物を食っちまったのさ。やめておきなって言ったのに、困った奴だよ」
貴方「なるほど! 今用意しますね!」
籠を下ろし、目当ての薬草を探す。
そうして私は町中を回り、薬を求める人に薬草や調合した薬を売って生活を送っていた。
誰も____私が『鬼』だとは知らない。
今の外見年齢は13歳くらいの少女だ。完璧に人間に擬態できている。
まさか、平安時代から生きている化け物だなんて思わないだろう。
まあ……好きで化け物になったわけじゃないんだけどね。それに、人を襲うわけじゃない。
元々私は病弱で、優しい善良なお医者さんがいつも診てくれていた。
その人が調合してくれた薬を試していたある日、その人は突然いなくなってしまって。気づけば私はこんな体に……。
最初は大変だった。不老不死と引き換えなのか、太陽の光を浴びることができなくなっていたんだもの。
けれどそれも、いつのまにか克服できた。
貴方「………あ!」
籠が軽くなってきた頃、(見た目が)同い歳の男の子が向かい側から歩いてくるのを見つけて、私は手を振った。
貴方「おーい! 炭治郎〜!」
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サリア(プロフ) - きのこさん» コメントありがとうございます!そう言っていただけて嬉しいです(´∀`*) 更新頑張ります! (2020年3月2日 11時) (レス) id: 5231526d40 (このIDを非表示/違反報告)
きのこ - この作品超好きです!!更新頑張って下さい! (2020年3月1日 23時) (レス) id: 45b1b66d37 (このIDを非表示/違反報告)
サリア(プロフ) - ふ ろ ふ き 大 根さん» コメントありがとうございます!更新頑張ります!(*´∇`*) (2020年2月28日 19時) (レス) id: 02855f94f3 (このIDを非表示/違反報告)
ふ ろ ふ き 大 根(プロフ) - ストーリーめっちゃ好きです!!続き楽しみにしてます( ・∇・)更新がんばってください!! (2020年2月28日 16時) (レス) id: cfd0445662 (このIDを非表示/違反報告)
サリア(プロフ) - りんさん» コメントありがとうございます!神作品だなんて…嬉しいです(´∀`*) 更新頑張ります! (2020年2月27日 23時) (レス) id: 02855f94f3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サリア | 作成日時:2020年2月26日 15時