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鬼狩り13 ページ13

〜蜜璃サイド〜



最終選別6日目の夜、私は鬼に警戒しながら川沿いを歩いていた。


するとどこからか煙が上がっているのが見えた。


生き残っている参加者が野営をしているのかもと思って近づいてみると、思った通り誰かが火を焚いていた。


その子は私の気配に気づき、振り向く。そしてパッと表情を明るくした。


私もその子が誰かわかると、安心感からか力が抜け、顔が綻ぶのを感じた。


貴方「あれ? 蜜璃ちゃん!」


蜜璃「なーんだ! Aちゃんだったのね!」


Aちゃんは焚き火をしながら魚を焼いていた。


私より歳下なのに一人で鬼と戦って、魚を取って、野営までしている。


きっと、普段からとてもしっかりした子なのね。


貴方「蜜璃ちゃんもおいでよ。一緒に魚食べよう!」


蜜璃「えっ、いいの?」


そう誘われたけど、せっかくAちゃんが取った魚を私がもらってしまっていいのだろうかと躊躇してしまう。


けれどとても空腹だったので、Aちゃんに手招きされるままに隣に座った。


貴方「はい! ちょうどいい具合に焼けたの」


蜜璃「ありがとう、いただきます。……美味しい!」


焼き立ての魚は味付け無しでも美味しくて、6日間の疲れが少しだけ和らいだ気がした。


Aちゃんは優しい。


山での生活において、食料は貴重。それでも知り合ったばかりの私を食事に誘ってくれるなんて。


貴方「いや〜大変な6日間だったよ。鬼殺隊の人たちって、こんなのを乗り越えてきたんだね」


蜜璃「本当よね。私、始まって早々に鬼に狙われるし、崖で足を滑らせて高いところから落ちちゃうし……」


Aちゃんの言う通り、大変な6日間だった。


それでも、私なりに強い覚悟を決めてここに来た。


甘露寺蜜璃という一人の人間として、私が私らしく、ありのままでいられる居場所を求めて。


……そういえば、Aちゃんはどうして鬼殺隊に入ろうと思ったのかしら____


私より小さくて、歳下の女の子。



気になったけれど、鬼殺隊に加わる人たちにはいろんな過去や事情がある。



だから、何となく口にするのは憚られた。

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サリア(プロフ) - きのこさん» コメントありがとうございます!そう言っていただけて嬉しいです(´∀`*) 更新頑張ります! (2020年3月2日 11時) (レス) id: 5231526d40 (このIDを非表示/違反報告)
きのこ - この作品超好きです!!更新頑張って下さい! (2020年3月1日 23時) (レス) id: 45b1b66d37 (このIDを非表示/違反報告)
サリア(プロフ) - ふ ろ ふ き 大 根さん» コメントありがとうございます!更新頑張ります!(*´∇`*) (2020年2月28日 19時) (レス) id: 02855f94f3 (このIDを非表示/違反報告)
ふ ろ ふ き 大 根(プロフ) - ストーリーめっちゃ好きです!!続き楽しみにしてます( ・∇・)更新がんばってください!! (2020年2月28日 16時) (レス) id: cfd0445662 (このIDを非表示/違反報告)
サリア(プロフ) - りんさん» コメントありがとうございます!神作品だなんて…嬉しいです(´∀`*) 更新頑張ります! (2020年2月27日 23時) (レス) id: 02855f94f3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:サリア | 作成日時:2020年2月26日 15時

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