変わりゆく日常 ページ44
〜倉間サイド〜
百雷神社での一件から何日か経過したが、あれから南沢さんの居場所に繋がるような進展はない。
稲妻町に広がる奇妙な噂話を片っ端から情報収集してファイリングしてるものの、手掛かりひとつ得られなかった。
それに＿＿＿＿＿学校でも空気が変わりつつある。
天馬と南沢さんは依然行方不明のまま。
剣城は四六時中気難しい顔をしていて、狩屋はらしくなくボーッとしていることが増えた。
神童と浜野は前にもましてつるむようになり、休み時間も放課後も一緒にいる。
休日も二人一緒にいたという目撃情報が増えている。瀬戸と山菜も見かけたらしいし。
それとは対照的というか反比例というか……速水が浜野とあまり一緒に行動しなくなった。というより誰とも話さなくなった。
倉間「よ、霧野。昼飯食おうぜ」
霧野「ああ。いつもの屋上に行くか」
あれ以来霧野とは、情報交換も兼ねてこうして一緒に弁当を食っている。
屋上で空の景色を見て、風を浴びながら食べる。これが今では日常の一部。
日常……これが日常？ 違う、俺の知る日常はこんな重苦しい空気じゃなかった。
霧野「速水は……最近どうだ？」
倉間「………」
飲み終えた牛乳パックを握りしめ、力なく溜息をつく。
倉間「なんだかな……メールしても返事ねーし、電話にも出やしねえ。学校に来ても、授業が終わればすぐ帰っちまってさ」
霧野「そうか。天馬たちのこともあるし、速水までそんな風だと不安だな」
誰かと喧嘩をしたわけじゃなさそうだから、なおさら速水の行動が不可解だった。
………そういえば。
天馬が行方不明になる前から、速水は一人でいることが多くなった……気がする。漠然としか思い出せないが。
倉間「どうせ神童に浜野取られてヘソ曲げてるだけだろ。放っときゃ戻るって」
霧野「えっ。そんなものなのか……？」
倉間「お前だって神童取られて拗ねてんじゃねーの？」
霧野「ち、違う！ ていうか取られる取られないの問題じゃ……」
倉間「はいはい」
本当にこいつはわかりやすい。口に出すと怒るから言わないが。
霧野が浜野に対して、神童の隣を取られたと思っているであろうことは明白。もう態度でわかる。
世間ではそれを“嫉妬”って呼ぶんだぞ、霧野。お前は認めないだろうけど。
霧野「そ……そうだ。また変な“ウワサ”が広まってるみたいでさ」
話を誤魔化すかのように、霧野は唐突にそう言った。
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サリア(プロフ) - ありがとうございます(*ﾟ▽ﾟ*) 頑張ります！ (2020年2月15日 0時) (
レス) id: 24cae498c7 (このIDを非表示/違反報告)
ユキ - 続編おめでとうございます！頑張ってください (2020年2月14日 23時) (レス) id: 6f84bfc0dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：サリア | 作成日時：2020年2月14日 16時
