この町では ページ36
〜狩屋サイド〜
目の前に置かれたのは……水の入った瓶。
狩屋「これを飲み続けると、ラッキーが続くんだ？」
さくら「その通り。でもうっかり飲み忘れて24の幸運を使い切っちゃったら、一気に不幸が押し寄せるから気をつけてね」
2杯なら2杯分、3杯なら3杯分。積み重ねた幸運と同じだけの不幸がやって来る。そう説明を受けた。
不幸に侵されたくなければ、『幸運水』を飲み続けなければならない。
半永久的な依存を強いられるってわけか。
瞬木「ま、だろうな。希望と絶望のバランスは差し引きゼロだ。
どっちかだけなんて都合が良すぎると思った」
瞬木はニヤリと笑いながら瓶を手に持つ。しかし飲まずにひっくり返し、水を床に溢していった。
さくら「マギウスに従ってさえくれれば、『水』は毎日あげる」
瞬木「こんな胡散臭い水で幸せになるより、俺はグリーフシードさえ稼ぐことができれば十分だよ」
水には興味を示さず、ドライな対応をする瞬木。
そんな瞬木を見つめる野咲は、妖しい笑みを含んでいた。
さくら「ふーん。まだそんなもの欲しがってるんだ？
この稲妻町では、グリーフシードなんて必要ないのに」
瞬木「はあ？」
狩屋「……それ、どういう意味＿＿＿」
「さくら様！！」
俺たちの会話を遮る声。
見ると黒羽根の一人が、緊迫した様子で野咲に近づいてきた。
さくら「えーなに？ 今から大事な説明に入るとこなんだけど」
「侵入者です！ それも三人。このうち魔法少年二人が手強く、黒羽根がすでに突破されてしまい……」
三人。手強い魔法少年二人。これだけでもう、その侵入者が誰なのか容易に想像つく。
狩屋「神童先輩と浜野先輩だろうな。タイミングがいいんだか悪いんだか」
そう言って笑うと、野咲は深く溜息を洩らした。
さくら「そう……それなら、客人は手厚くおもてなししないとね」
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サリア(プロフ) - ありがとうございます(*ﾟ▽ﾟ*) 頑張ります！ (2020年2月15日 0時) (
レス) id: 24cae498c7 (このIDを非表示/違反報告)
ユキ - 続編おめでとうございます！頑張ってください (2020年2月14日 23時) (レス) id: 6f84bfc0dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：サリア | 作成日時：2020年2月14日 16時
