浅はか ページ30
〜神童サイド〜
しかし銃声とともに、俺は自分の浅はかな行動を後悔する。
攻撃が命中した途端ヤツらの影はたちまち揺めき、まるで空気に溶けるかのように薄らいでいくのだ。
せっかくAのおかげで得た手掛かりなのに、逃げられてしまう……！
慌てても時すでに遅く、気配はあっという間に消え去りつつあった。人々は何事もなかったかのように席から立ち、ぞろぞろと商店街の方へと戻っていく。
女「感謝が足りない！ 感謝が足りない！
心根貧しき悪い子は、幸運尽きても仕方なし！」
影たちは幾多の笑い声とともに遠ざかり、やがて完全に姿を消した。
痕跡ひとつ残っておらず、もはやここからの追跡は困難であることを物語っている。……俺としたことが。
浜野「ちゅーか、今のは仕掛けるの早すぎたんじゃね？」
浜野が苦笑しながら頭を掻く。俺は居た堪れなくて謝ることしかできない。
神童「すまない……」
浜野「大丈夫大丈夫！ そう遠くには逃げてないっしょ。とりあえず稲魂地区周辺を調査してみようぜ」
切り替えが早い浜野は俺とAにそう声をかけて、再び歩き出す。
貴方「あと、この“ウワサ”がどこから広まってるのか、元を辿ってみるのもいいかもね」
浜野「確かに！」
『フクロウ幸運水』のウワサについては、すでに狩屋と剣城にも連絡を入れてある。
何かわかり次第教えてくれるそうなので、あいつらからも情報を得られるかもしれない。
＿＿＿＿＿＿
調査中、俺たちは高校付近で奇妙な現場に出会した。
魔人の使い魔のような人影が、二人組の女子高生に何かを喋っている。
しかし当の二人は、その影を目の当たりにしておきながら怖がりもせず驚きもしない。それどころか親しげに会話していた。
まさか彼女たちの目には、“あれ”が普通の人間に見えているのか……！？
［稲魂地区の馬券売り場じゃもっぱらのウワサ！］
女子「え〜何それ？」
女子２「意味わかんね〜w」
『フクロウ幸運水』のウワサを広めているみたいだ。噂話として広がっていた原因はあいつに違いない。
貴方「みんな普通に接してるね。違和感とか、変だなって感じはしないのかな」
神童「“ウワサ”がただの噂話ではなく化け物だという認識を持たなければ、ただの人に見えるのかもしれない」
現に俺たちも、今まで見過ごしてしまっていた。
だがこれ以上好きにはさせない。
今度の“ウワサ”も________俺たちで倒してみせる。
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サリア(プロフ) - ありがとうございます(*ﾟ▽ﾟ*) 頑張ります！ (2020年2月15日 0時) (
レス) id: 24cae498c7 (このIDを非表示/違反報告)
ユキ - 続編おめでとうございます！頑張ってください (2020年2月14日 23時) (レス) id: 6f84bfc0dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：サリア | 作成日時：2020年2月14日 16時
