魔人か否か ページ15
〜狩屋side〜
俺は魔法少年であるサッカー部の仲間が魔人化するのを恐れつつ、心のどこかで『みんな強いから大丈夫』と安堵していた。
だから、今真実を告げる必要はない、と。
俺自身、いつか魔人になるという現実から逃げたかったというのもある。
それを突然、仲間が魔人の姿になって他の仲間を襲っている瞬間なんて見せられてしまったら……冷静でなどいられない。
俺は槍を容赦なく飛ばし、無我夢中で魔人になった剣城くんを仕留めた。
それが、真実を黙っていた俺にできる責任の果たし方だと思ったから。
魔人は消滅した。ところが＿＿＿＿
剣城くんの身体はなぜか魔人と一体化していたようで、ゆっくりと落ちてきた。
魔法少年少女にとってはソウルジェムが本体であり、肉体なんて外付けのハードウェアのようなもの。
魔人化しソウルジェムがグリーフシードになった後の身体は、もぬけの殻でしかない。
だから、魔人と魔法少年の身体が一緒にいたなんて例は見たことがなかった。
しかも、その姿は変身した時の……魔法少年のまま。
それだけじゃなかった。
槍を構えながら近づいて見てみると……
・
剣城くんのソウルジェムは＿＿＿＿あった。
・
しかも、グリーフシードでないどころか濁ってすらいない。
いつも通りの、綺麗な赤い魂の石。
そんなバカな……確かにさっきまで、剣城くんは魔人のような禍々しい魔力を放っていた。
それが倒された途端、その禍々しさは消え失せ、元通りのソウルジェムに“戻っている”なんて！
おかしい。こんなことは初めてだ。
間違いなく剣城くんは、他の魔法少年少女と違う。
神童「……あれ？」
神童先輩は剣城くんのソウルジェムを見て首を傾げる。
神童「おかしいな。さっきまで剣城のソウルジェムは黒く濁っていたのに」
浜野「あ、ほんとだ。いつ綺麗になったんだろうね？
神童、グリーフシード使ったの？」
神童「いや……そんな時間はなかった」
狩屋「え？」
さっきまで、剣城くんのソウルジェムは濁っていた。それは間違いないらしい。
じゃあやっぱり、あれは魔人となった剣城くんだったんだろうか。
謎なのは……どうやって元に戻ったのか……。
それに、考えてみると……
さっき感じた魔力。確かに禍々しかったけれど、魔人のものとは微妙に……違っていたような気もする。
つまりあれは、“魔人に近いけれど魔人ではないなにか”という可能性も……
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サリア(プロフ) - ありがとうございます(*ﾟ▽ﾟ*) 頑張ります！ (2020年2月15日 0時) (
レス) id: 24cae498c7 (このIDを非表示/違反報告)
ユキ - 続編おめでとうございます！頑張ってください (2020年2月14日 23時) (レス) id: 6f84bfc0dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：サリア | 作成日時：2020年2月14日 16時
