story１０８ ページ8
〜茜サイド〜
放課後。私はAちゃんといつものように、学生用ラウンジでお茶をしていた。
そこへ霧野くんと速水くんがやって来て、二人は揃って不思議そうにAちゃんを見た。
……そう。今のAちゃんは少し変。
ずっとニコニコと笑っていて、何もないのに楽しそうにしている。
霧野「Aの奴、どうしたんだ？」
茜「朝からずっとこんな感じ」
速水「うーん。朝の手紙に何か書いてあったのかも……」
霧野「手紙？」
その時だった。私たちのもとへ、一人の男子生徒が歩いてきた。
その男子生徒とは＿＿＿＿
倉間「よ、お前ら。久しぶりだな」
倉間くん、だった。
かつてAちゃんに勝負を挑み、負けてしまって以来だ。あれから生徒会を追放されたとは聞いていたけれど。
そんな彼に、霧野くんはニヤニヤ笑いながら声をかけ返す。
霧野「倉間、お前生徒会をクビになったらしいな。
で、今度は？ Aの弱みでも握って、それを手土産に返り咲こうって腹積もりか？」
倉間「そ、そんなわけねーだろ！」
倉間くんは霧野くんを睨みつつ、Aちゃんの視線を受けて声を詰まらせる。
そして小さく溜息をつき、深刻そうな表情で俯いた。
追い詰められていて、一人では対処できない……そんな雰囲気だった。
倉間「槭樹A……今日はお前に話を持ちかけたくて来た。
その前に＿＿＿＿ちゃんと、腹割って話すよ」
倉間くんの話は、自らの家庭事情から始まる。
倉間「俺の親父のことは……知ってるよな」
霧野「日本有数のトイメーカーの社長だろ？ 将来が約束されてるなんて、勝ち組確定じゃないか」
確かに、お父さんである社長のツテを使えば、倉間くんの将来は確定しているも同然。
大手企業のエリートとして、何不自由ない生活を送ることができそうだけど……。
倉間「それが、そうもいかないんだ。
親父は厳格な合理主義者……。俺は生徒会役員となり、政財界との強いコネを作れと言われた。
それができなければ、最悪勘当もあり得る」
茜「えっ……！？」
倉間くんは、そんな親からのプレッシャーを受けながらこの学園に入ったの？
サッカーをやって、生徒会役員を務めて……
私はまったく気づけなかった。
マネージャーとして、毎日のように彼と関わっていたのに。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 29人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「イナズマイレブン」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
サリア(プロフ) - イナイレ好きさん» コメントありがとうございます！次はVS葵ちゃんへと突入する予定です( ´∀｀) (2020年9月8日 0時) (
レス) id: 02855f94f3 (このIDを非表示/違反報告)
イナイレ好き - 新しい話だ! 続きがめっちゃめちゃ気になる (2020年9月8日 0時) (レス) id: 573d988362 (このIDを非表示/違反報告)
サリア(プロフ) - Rさん» コメントありがとうございます！面白いと言っていただけて嬉しいです！掛け持ちしながらですが、更新頑張ります( ´∀｀) (2020年3月1日 16時) (レス) id: 5231526d40 (このIDを非表示/違反報告)
R(プロフ) - 初めまして、とても面白いです！まどマギのほうも楽しみにしてます！ (2020年2月28日 21時) (レス) id: a1e0e2485c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：サリア | 作成日時：2020年2月26日 1時
