【イナGO】魔法少年少女の戦い (ページ17)

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結界での戦いページ17

～貴方side～

私は思いがけず、雷門中の霧野くんと仲良くなった。

一緒にサッカーをしたし、連絡先も交換した。久しぶりにボールを蹴るのは楽しかった。全国一のサッカー部の選手に褒めてもらえたのは自信になった。

そうして気づけば、夕方になっていた。

霧野くんは長く付き合わせたことを謝ってきたけど、元々夕方までは時間を潰さなきゃいけないと思っていたところだ。

ちょうどいい時間になったので、魔人退治をする魔法少年を探しに行こうと思ったその矢先のこと。

突然空間が歪み、そしてあっという間に魔人の結界へと呑み込まれていた。

混乱している霧野くん。私は彼を守らなければと、変身しようとした。

しかしふと見ると、巻き込まれた人が私たち以外にもたくさんいて……。

皆一様に、首筋に痣……『魔人の口づけ』があった。

あれは魔人に魅入られてしまった証拠。操られ、負の感情が増幅して、自ら死を選んだり魔人の餌食になってしまう。

街で起こる突然の殺人事件などの不可解な事件は、大抵この魔人の口づけを受けてしまった人たちによるもの。

まずはあの人たちを何とかしなくては、すぐにでも死んでしまう！

私は霧野くんがよそ見をしている間に変身し、高くジャンプして巻き込まれた人々のもとへ向かう。

途中向かってくる魔人の使い魔を武器のステッキで攻撃して撃退し、虚な表情をした人たちを一人、また一人と気絶させていく。

貴方「待っててね。今あなたたちを苦しめているものを倒してくるから！」

魔法少年少女の間に存在する、暗黙のルールを破ってしまうことになる。

『担当地区から外の魔人は倒さない』という、グリーフシードの独占を防ぐために存在するルール。

しかしそれでも構わない。目の前の人たちを見殺しにするくらいなら。

私は、グリーフシード目当ての魔法少女じゃない。霧野くんたちのことは必ず守る。

そう意を決して、強く石畳を蹴った。