今夜 ページ46
〜神童side〜
神童「条件、か」
考えてみれば、剣城の言う通りだ。行方不明者の数に対して神社への参拝客は多い。
『キラキラ様』に会うには、もっと条件を満たさないといけないのかもしれない。
じゃあそれは何か？ という話になるわけだが……。
浜野「キラキラ様もさ、大勢人がいる所に姿を見せるとは考えにくいしね。
限られた少数だけを連れ去るには……うーん
朝早い時間とか夜遅い時間なら、人も少なそうだけど」
浜野がそう何気なく口にした時、俺は霧野がSNSで最後に呟いた“時間”を思い出した。
あれは夜だった。多分夕食前くらい。
だとすれば……！
神童「それだ。条件は参拝する時間帯。
霧野と倉間が夜以降家に帰らなくなったということも踏まえると、恐らくその時間。神社が閉まった後だ」
浜野「なるほど！」
2人は納得したように頷く。
剣城「では早速今夜、神社に行ってみましょう」
神童「ああ。これ以上放っておくわけにはいかない」
まだ決まったわけではないものの、霧野と倉間まで巻き込まれてしまった可能性がある。
俺も浜野も、魔法少年でない仲間を魔人との戦いに巻き込むのを嫌う。
魔法少年でさえ命懸けなのだ。無防備な普通の人間ではまず太刀打ちできず、魔人の餌になってしまう。
だから以前霧野が結界に呑み込まれた時だって、彼の記憶を消した。
記憶が残るということは、魔人の存在を知ってしまう可能性が残ることを意味する。
キュゥべえ曰く、キュゥべえの姿が見えない人間には魔法少年や魔法少女としての素質はないらしい。
けれど時間が経って、急に素質が芽生えるなんてこともあるそうだ。
今の霧野はキュゥべえが見えていない。だが万が一……見えるようになったとしたら？
キュゥべえが霧野を、「僕と契約して魔法少年になってほしいんだ」と勧誘し始めたら？
それだけは許さない。命懸けなのは俺たちだけで十分。
たとえ霧野に、戦いの運命と引き換えてでもかなえたい望みがあるとしても。
剣城「…………」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 7人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：サリア | 作成日時：2020年2月6日 21時
