58：卑怯 ページ8
#7 side
｢ え、いいんですか？ ｣
どうやら他の人達は席を外してくれるみたい。
つまり、
俺とAさんを二人きりにしてくれる。
｢ 二人でしっかり話しーや ｣
卓さんがそう言ってくれた。
剛もゆっくり口角を上げていた。
｢ ありがとうございます、 ｣
｢ 俺らはもう帰るからね ｣
そう言ってみんなは病室をあとにした。
.
ふぅ、と深呼吸を数回繰り返して
覚悟を決めて病室に入る。
｢ Aさん、｣
意識が戻ってから初めて見る彼女の姿。
頭には痛々しく包帯が巻かれている。
不謹慎かもしれんけどやはり綺麗だ。
｢ …え！中島選手の次は西川選手まで…！！
どうなってるのこれ…。｣
鍵さんが剛と葵さんに話していた内容。
遠くてそこまで聞こえてこなかったけど、
広報になってからの記憶はほぼ0に近いって
言ってた気がする。
｢ 球団職員の人が事故で入院したって聞いて
お見舞いに来たんっすよ。大丈夫っすか？ ｣
Aさんに負担をかけたらあかん、
俺が合わさな。
剛はどうやって対応したんやろ。
あとの人達はどうやって、
俺にはやっぱり早すぎたかな、
｢ 私となんか関わりなかったのに、
なんかごめんなさい。わざわざ来てくれて…。｣
｢ 俺が来たかったから、ええんです。
Aさんは気にしないでください。 ｣
言葉一つだけで、想いがはち切れそう。
なんで覚えてないんや。
なんで覚えてくれてないんや。
手を伸ばせば届く距離なのに、
心だけはとても遠くて。
｢ でも西川さんは私のことなんて、
知りませんよね？もちろん…。 ｣
｢ 知ってる。めっちゃ知ってる。｣
｢ え、でもなんで？
全く関わりない部署ですよ？わたし。
私はもちろん知ってますけど、
西川さんが私のこと知る由もないですよね？｣
｢ だってAさんの好きな人は俺やから。｣
なあ、剛。
俺やっぱりダメな先輩やわ。
｢ …は？ ｣
｢ だから、
Aさんの好きな人は俺なんですって ｣
俺の好きな人がAさんとは言えなかった。
俺の中の何かが、言うのを躊躇った。
｢ え、でも私は西川さんのこと、
野球選手ってことしか分からないんですよ…？
それで突然私の想い人だと言われても… ｣
｢ 俺はいっぱい知ってんで、
Aさんのこと。｣
この言動が吉と出るか凶と出るか。
どうなっても、自業自得やから。
どうなっても、それが運命やから。
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アオイ(プロフ) - NANAさん» コメントありがとうございます、たいへん嬉しいです！！なるべく早く更新できるよう努めていきますので、よろしくお願いします！ (2018年10月8日 21時) (
レス) id: e135da6148 (このIDを非表示/違反報告)
NANA(プロフ) - 更新待ってました！色々お忙しいでしょうけど無理なさらずご自分のペースで頑張ってください！次の更新も楽しみにしてます！ (2018年10月1日 13時) (レス) id: 81c8334f02 (このIDを非表示/違反報告)
アオイ(プロフ) - ハヌルさん» コメントとご指摘ありがとうございます◎私も遥輝さんって呼んでた気がすると思ってたんですが、ある雑誌で剛くんが西川さんと呼んでたので、どうしようかと悩んで西川さんに変えたんですが、やはり違和感ありますよね？(；；)次更新する時に遥輝さんに変えておきます！ (2018年6月19日 23時) (レス) id: e135da6148 (このIDを非表示/違反報告)
ハヌル - すっごい面白くて更新楽しみにしてます！！！ ただ１つだけ気になってしまって…細かいかもしれないのですが剛くんは西川くんのこと遥輝さんって呼んでたと思います…！ どうも違和感を感じてしまって…細かすぎてごめんなさい！ これからも更新楽しみにしてます！ (2018年6月19日 23時) (レス) id: 5c46dbf660 (このIDを非表示/違反報告)
アオイ(プロフ) - ぱるこむさん» お久しぶりです！◎ありがとうございます！剛くん…素敵ですよね(；；)これからも頑張ります！＊ (2018年6月19日 19時) (レス) id: e135da6148 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ア オ イ | 作者ホームページ：http:/glee1192/
作成日時：2018年6月14日 3時
