検索窓
今日:1 hit、昨日:2 hit、合計:99,208 hit

13 猫は笑う ページ14

あれからどれくらい経ったかしら。
余り覚えていない。


 Aは相変わらず、社員という立場ではなかった。
 云うなれば、社の水槽の中で飼われている魚の様。


 そこにいるだけの存在。
 癒やし――情報を、与えるだけ。


 あの時も、
 あの時も、
 あの時も。


 社が危機に晒された時も、
 社員が危殆に瀕した時も。


「…………」


 そうして、谷崎潤一郎から逃げて来たAが鏡の世界をつたって、現実の探偵社ビル入り口に出ると。


「あらAちゃん久し振り!働いたの?偉いねぇ!どう?再会の印に、共に心中しない?」


 出会い頭にデェトへのお誘い。
 相変わらず暇なのかな、この人。
 太宰治が、るんるんと立っていた。


【こんにちは。】
【先刻は中てが外れて、大損でしたね。ご愁傷様。】

「おや、私が競馬場にいた事まで知ってるとは、流石Aちゃんだね。――あ、谷崎君とは会ったかい?」


 緩やかな風に髪を押さえて、とびきりの笑顔を見せてくる太宰。
 対照的に、Aは超絶不機嫌。


「……ふむ。今日も善い香りがするね。お土産、ありがとう!」

【上にありますから。】


 今も残っているかは、
 定かではないが。


【私、今からうずまきに行きますが、誰にも云わないでくださいね。】


「え、じゃあ私も行く!若し相談事があるなら、聞くよ!」

14 休息→←12 醒めない夢



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.6/10 (53 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
104人がお気に入り
設定タグ:文豪ストレイドッグス , 谷崎潤一郎 , 江戸川乱歩   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

neko - 江戸川乱歩様、貴方には異能力が全く御座いません。サッパリです。 (2020年10月1日 14時) (レス) id: b3d6820988 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - マカロニさん» マカロニ様、ご指摘ありがとうございます。早速プロローグにさせて頂きました。この様に切ない技量ですが、更新頑張りますので宜しくお願い致します! (2019年12月30日 11時) (レス) id: 51ec71086f (このIDを非表示/違反報告)
マカロニ(プロフ) - コメント失礼します。第一話のエピローグはプロローグの間違いではないでしょうか?(エピローグは終わりの時なので……)初コメントがこのような形ですみません。更新頑張って下さい。 (2019年12月30日 8時) (レス) id: 30ec427a94 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名: | 作成日時:2019年12月22日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。