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38 空に還る ページ39

その先には。


「御目出度う」


 組合団長。


 敦と鏡花は戦闘態勢に入る、
 が。


 二人共、射抜かれた。


 遠くに光る、


「…………」


 とても遠くに位置する、狙撃手により。


 マーク・トウェイン……!?


 果たして。


 果たして、
 私が、しっかり、情報を集めていれば、

 ちゃんと、あちらの世界を、
 異能を使いこなせていれば。


「…………」


 今のを止めることは、
 できたの、だろうか?


 鏡の世界にいるのに、


 此方の世界は、
 次々に、流れていく。


 何時もなら追い抜いているのに、


 まるで、追い付かない。


「新拠点のお披露目と行こう」


 冷静にならない頭を抱えるAの、
 ぐったりとした中島敦の首を抱えた彼等の前、
 港に現れたのは、


 巨大な船、ではなく。


 巨大な、白鯨。


「久しいな……相棒」


 老人の声に導かれる様に。


 太陽に照らされて、
 水に濡れて、眩しい。


 まるで、鏡の世界みたい。


「君に人助けは向いていない」


 そしてその白鯨へ、
 遠ざかっていく彼等。


 後ろ遠くに見える市警の群れ。


 あぁ。


 今すぐ、鏡花の肩を抱いてあげて、
 今すぐ、警察の目を欺ける事が出来たら、


 でも、


“何があっても、彼から離れないでね”


 ごめん、
 ごめんね、鏡花。


「向い……ら、如何し……見せ……の?」


 鏡花の声は聴こえなくなっていく。


 苦しみながら、
 Aも、白鯨に侵入、


 敦の後を、追った。


「…………」

「どうかされたか?」

「いや……」


 何かを感じた老人の異能者――メルヴィルだったが、大したことではないと判断したのか、そのまま歩を進める。


 そうして、その白鯨は、
 ヨコハマの空を、泳ぎ始めた。

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設定タグ:文豪ストレイドッグス , 谷崎潤一郎 , 江戸川乱歩   
作品ジャンル:アニメ
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neko - 江戸川乱歩様、貴方には異能力が全く御座いません。サッパリです。 (2020年10月1日 14時) (レス) id: b3d6820988 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - マカロニさん» マカロニ様、ご指摘ありがとうございます。早速プロローグにさせて頂きました。この様に切ない技量ですが、更新頑張りますので宜しくお願い致します! (2019年12月30日 11時) (レス) id: 51ec71086f (このIDを非表示/違反報告)
マカロニ(プロフ) - コメント失礼します。第一話のエピローグはプロローグの間違いではないでしょうか?(エピローグは終わりの時なので……)初コメントがこのような形ですみません。更新頑張って下さい。 (2019年12月30日 8時) (レス) id: 30ec427a94 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2019年12月22日 22時

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