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15 ジャバウォック ページ16

界Aは異音で目を覚ました。


 これは、機械の音、
 ヘリコプター?


 珈琲のカップを空け、マスターに会釈し、入口から外を覗くと、
 凄まじい風と共に、一基のヘリが探偵社ビル隣の高速道路へ着陸しようとしていた。


 警察とか救急のヘリじゃない。


 え?
 救急?それとも個人の物?


 こんな街中にヘリで現れるなんて、常識外れも大概の、相当な方だと思った。


 人が降りてきたのを見て、Aは玄関扉の硝子に触れ、鏡の世界に入る。


 この世界は、外とは対象的に作られていて、
 そして、大概が透明化していて、


 鏡、硝子、金属、水――自らの姿が映るものならば、何処でも入り口になる。


 そして、誰もいない。


 そして、眩しい。
 反射か何か知らないが、外の世界より目が眩むし、熱量も若干多い気がする。


 だから帽子、ないとなのに。


 谷崎潤一郎のせいで、社に置いてきてしまった。


「…………」


 その苛つきを顔に出しながら、辿り着いた社長室の窓より、その来客を視ると。


 外国人!

 珍しい!


 あ、この人達、先日大きな船で来てた人達かも!妙に高飛車で、無駄に豪華な船の!


 記憶の中で一致させ、
 そして観察を始め、


 背が高く、尊大で、云うなれば傲慢な雰囲気の、然し品格が底知れない男が社長と相対していた。
 裏には二人控えている。


 一人は険しい顔の男、
 一人は赤毛の、笑みを見せているがどことなく違和感を感じる少女。


 この社を買い取る、的な話をしている。
 社長はとても静かに一刀両断している。


 そんな事で、その程度のお金で、社長のお時間を使うなよと眺めていると、


 その赤毛の少女と目が合った、
 気がした。


「…………!」


 気がしただけなので、あちらからは見えない筈なのに、その窓から離れてしまい。


 いやいや、
 この世界には、誰も追い掛けて来れないのだ。


 例え、何があろうとも。


 深呼吸して、
 再度部屋の中を確認すると、


「社員が皆消えてしまっては会社は成り立たない。
 そうなってから意見を変えても遅いぞ」

「御忠告、心に留めよう。帰し給え」


 外国人たちは帰っていく様だった。
 然し何処か、意味有り気な表情をする彼等。


 なんか明日の朝刊を見ろ的な事云ってる。


「俺は欲しいものは、必ず手に入れる」


 欲しいもの?
 そういえば、何か捜し物をするって……。

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設定タグ:文豪ストレイドッグス , 谷崎潤一郎 , 江戸川乱歩   
作品ジャンル:アニメ
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neko - 江戸川乱歩様、貴方には異能力が全く御座いません。サッパリです。 (2020年10月1日 14時) (レス) id: b3d6820988 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - マカロニさん» マカロニ様、ご指摘ありがとうございます。早速プロローグにさせて頂きました。この様に切ない技量ですが、更新頑張りますので宜しくお願い致します! (2019年12月30日 11時) (レス) id: 51ec71086f (このIDを非表示/違反報告)
マカロニ(プロフ) - コメント失礼します。第一話のエピローグはプロローグの間違いではないでしょうか?(エピローグは終わりの時なので……)初コメントがこのような形ですみません。更新頑張って下さい。 (2019年12月30日 8時) (レス) id: 30ec427a94 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2019年12月22日 22時

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