46 星へ手をのばす ページ6
「やっと、会えたね」
「うん！」
「待たせて、済まなかったよ」
互いの目を見詰め合い、吸い込まれる様に二人、重なる。
あぁ、Aちゃんだ。
あぁ、太宰さんだ。
互いに確認し合う。
体温を、鼓動を、呼吸を。
もう、会えないと思ってしまったほど、長い長い時間をそれぞれ過ごした様な。
だから。
陽は既にそこにはなく、海の底に。
空は濃い蒼へとグラデーションを成す。
少し生暖かい風。
一番星が、光っている。
「ね、もう、いこうか」
「え？」
「この中でが、良い」
「…………わかった」
無言で、手を差し出すA。
無言で、手を受け取る太宰。
その目は、どこか寂しそうで。
憂いていて。
「太宰さん」
悪いことをしてしまった様な顔をしていて。
「ありがとう」
その何かを包み込むように、
その何かを許すように、
Aは優しく両手を握る。
星の瞬く夜。
共に手を繋いで。
私の命とAちゃんの命を使って。
彼女の異能が発動する。
あぁ、私は、これから悪いことをする。
この世界から未だ消える事が出来ないのに、彼女に沢山の希望を抱かせて。
この気持ちは本当なのに。
今まで成し遂げられなかったのは、本気の相手がいなかったからなのに。
とうとう、本気の相手が現れてくれたのに。
私が、また、成し遂げられなくする。
ああ、これだから――私は死にたい。
死にたい。
この悪夢から。
――この酸化する世界の夢から、
目醒めさせておくれ……
……私の、お星様。
異能力――『星降夜』、発動。
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午(プロフ) - 雪さん» 雪様、ご感想ありがとうございます！ 文章が綺麗っていわれてとーっても嬉しいです！ 雪様にお会い出来て良かったです！ また遊びに来てください！ (2023年3月29日 22時) (
レス) id: 26aa10f063 (このIDを非表示/違反報告)
雪(プロフ) - めちゃくちゃ感動しました…語彙力ないせいで上手く言葉に出来ないのが本当に悔しい…本当に文章が綺麗で惹き込まれます…この小説と出会えてほんとうに良かったです…( ; ; )♡ (2023年3月29日 5時) (レス) @page49 id: 235d41d493 (このIDを非表示/違反報告)
午(プロフ) - yuriさん» yuri様初めまして、ご感想ありがとうございます！やばいくらい泣かれましたか……うぉぉありがとうございます！夢主を幸せに出来ました、思う存分叫んでください！これからも頑張ります。ありがとうございました！ (2021年4月19日 23時) (レス) id: 4dcd31a7db (このIDを非表示/違反報告)
yuri(プロフ) - はじめまして！初めてこの作品を読ませていただいたものです！感想を一つ２つ言いたいのですがあの泣きましたすごいもおあのやばいぐらいはい。それでもう一つ夢主ちゃん最終幸せに生きれてよかったねぇて叫びたい└(^o^)┘ではこれからも応援してます！頑張って下さい (2021年4月19日 20時) (レス) id: 2cc33a2b3d (このIDを非表示/違反報告)
午(プロフ) - シオリ様、ご読了と感想についてのご質問有難うございます！小説用Twitterはありません！既に下記文面で喜んで頂けた事が判明しているので、宜しければ此方にご感想を書いて頂くか、何もしなくても大丈夫です！お気軽に、宜しくお願い致します！此れからも頑張ります！ (2020年1月20日 21時) (レス) id: 4dcd31a7db (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：午 | 作成日時：2019年7月14日 14時
