国木田独歩 拉麺 ページ19
「ラーメン二つ。麺硬め、全マシ、全乗せで」
午前一時。
漸く終わった依頼後に入った店、Aの開口一番。
「今……ラーメン、と？」
「うん」
国木田はテーブルにガンッと額を打ち付けた。
「いや！今は！午前一時だ！カロリーが！……っく、疲労困憊でラーメン屋と気付けなかった！」
嘆き始める。そんな彼を見て、Aはニヤつきながら云った。
「大丈夫、Aさんの奢りだから。逆にストレス発散になって、心身共に健康的になるよ」
「どう云う事ですか？……それよか、全マシとは一体何です？」
太宰治の様な表情になったAを見て、手帳とペンを持った手を震わせる。
「全マシも、全乗せも、来れば分かるよ」
「え？」
そんな国木田の前に。
ラーメン全マシ全乗せお待ち！
大蒜足りなかったら云ってね！
店員の言葉と。
どおぉぉん
「頂きまーす！」
「……」
麺が、スープが……見えない。
国木田は目を見開き、あんぐり口を開けている。
堆く聳えるキャベツと萌やしの山、トロリとした煮卵、分厚い焼豚、海苔、唐辛子？チーズ？がのっている？あと、脂が、大量に浮いて？
「？？？」
「ゆっくり食べていいよ。ロット崩しても、この時間だからお客さん全然いないし」
「……はぁ。頂きます」
頼まれて、出てきてしまったものは仕方がない。
意を決して箸を割り、麺を掴んだ。
重っ！
極太縮れ麺。脂を纏い、醤油の香りが鼻腔を擽る。
勢い良く吸い上げると。
「…………」
美味い……！
モチモチとした麺に絡まる大蒜の深い味。
野菜は善い噛みごたえ、焼豚はほろほろ舌の上で崩れ、
唐辛子やチーズ、海苔が味に変化を与え、飽きが一切来ない、そう丸で完璧な。
感動していると、隣のAは掘り起こした麺を野菜の上に避難させていた。
「何を？」
「天地返し。猫舌だから」
聞けば、先に麺をスープから引き上げ伸びるのを防ぎ、冷まして食べやすくするものだとか。
そして思いっきり麺を吸い込んだAは。
「んー、うん！」
満面の笑顔。
「…………」
それは重なった疲労が全て回復する様な。
「ね、いいでしょう？」
その問いに。
彼も何時の間にか、
全て平らげていて。
「国木田も気に入ったね、マシマシ」
「まあ……」
Aさんとなら、
何処でも、何時でも。
真夜中。
二人だけの、秘密の時間の始まり。
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午(プロフ) - 美紅さん» 美紅様、リクエストありがとうございました。ごめんなさい、リクエストは現在受け付けておりません。ショートケーキは苺たっぷりの物が好きですね。いつもありがとうございます。また宜しくお願いします！ (2021年10月28日 20時) (
レス) id: 4dcd31a7db (このIDを非表示/違反報告)
美紅(プロフ) - リクはショートケーキの好物をお願いします (2021年10月26日 18時) (レス) id: 2c9c8b9b13 (このIDを非表示/違反報告)
もな - ごめんなさい!!!私の不注意で…！いや私アイス大好きなんですよ〜！関係ないんですけど（） (2021年6月19日 0時) (レス) id: 2d978a239f (このIDを非表示/違反報告)
午(プロフ) - もなさん» もな様、先日のリクのご感想ありがとうございました！そして新たなリクエストをありがとうございます。申し訳ありませんが、現在リクは受け付けておりません、ご了承ください。この時期はずっとアイス食べたいですね！またのご来場をお待ちしております！ (2021年6月12日 20時) (レス) id: 4dcd31a7db (このIDを非表示/違反報告)
もな - ありがとうございました…！！とっても良かったです………！！！！！出来ればリクエストでマーク・Tさんでアイスでお願いしたいです……！出来ればお願いします!! (2021年6月12日 14時) (レス) id: 2d978a239f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：午 | 作成日時：2020年1月1日 23時
