22 星を弄する ページ23
“ 危険異能者だァ?何で態々。そっちの、猟犬とか闇瓦とか、使える奴はいくらでもいんだろ? ”
猟犬。
闇瓦。
何故知っている。
まあ、そんなことは大した問題ではない。
「少々立て込んでまして、この件は、個人的に処理したいのです」
“ 個人的?ったく、俺を呼ぶんなら、異能力ではない謎の生命体とか、でっけェ龍が出たとか、そういう時にしてほしーぜ ”
「何のことです?」
“ 例え話だよ ”
「はあ」
あの中原中也が、例え話なんかしてくるとは。一体、彼のどういう状況で、電話なんかしてしまったのか。
「で、話を戻しますが――送った画像、ご覧になりましたか?」
“ ……しゃーねェな ”
カチカチと、中原が携帯を操作する音を聞きながら、これは本当に正しい判断なのか?と、安吾は自身を疑心する。
写真の彼を見た瞬間、まるで冷静な判断が失われつつあった。
そして、電話越しに、息を呑む音。
「保護して頂きたいのは、石A。共に写っている男は、彼女を誘拐した犯人である可能性が高い」
解像度の荒い写真に写っている、白髪の少女こそ、坂口がよく見知った少女。
長かった髪をバッサリと切っているが、直ぐAだと判った。
与えていない洋服を着ている。
一体、どういうことなのか。
そんな事より。
そんな彼女の手を握り、快活に前を歩く男。
包帯に目がつく、長身の、よく見知った。
“ 太宰…… ”
中原の、その気持ちは良く分かる。
何故、彼が。
何故、彼が。
ともかく。
「石Aを保護する際、政府の事柄だと分かれば、恐らく彼女は抵抗しません。然し、男の方が妙な真似をすれば――排除しても構わない」
“ ………… ”
「全てはこの国の為です。如何でしょう、難しければ、他の」
“ 上等だ ”
280人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
午(プロフ) - 凛音さん» 凛音様、コメントありがとうございます!これからも頑張ります! (2019年7月13日 20時) (レス) id: b0368434d0 (このIDを非表示/違反報告)
凛音(プロフ) - いつも読んでいます!とても面白い!私は文ストの中では中也と太宰が好きなんです、これからも頑張ってください! (2019年7月13日 14時) (レス) id: 54808a52f2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:午 | 作成日時:2019年6月30日 0時