18 星の生る木 ページ19
「うん、可愛い」
Aは、朝とは見違えた様になった。
肩の見える、爽やかな桃色のワンピースに映える白い肌、キャメルカラーのサンダルに、肩まで切った髪はクルンと内に巻かれて。
「太宰のお兄さん……ありがとう」
「とっても素敵だよ。天使の様だ」
太宰さんは、何時でも何でも褒めてくれる。
褒めるのが上手い。
きっと昔から、とても幸せな環境に居たのだろう。
「あの、ちゃんとお金とか、全部返すから」
「え?いいよいいよ」
「駄目、返させて」
一応、そこはちゃんとしておかないと、あとで大変なことになりそうだし、それに。
「結構な量だけど、Aちゃんお小遣い貯めてるの?もしかしてお金持ちさん?」
「ううん、うちはごく普通の一般家庭……だけどね、今は頼んだら、何でも用意してくれるから、大丈夫!」
「へえ……」
政府の人たち、私を閉じ込める為に、何でも揃えてくれたし、何でも聞いてくれた。
家にあったものと全く同じものまで。
でも、あれらには、全く思い出がない。
同じものなのに、違う。
でも、このお洋服とか、靴とか、髪も、太宰さんが一緒に選んだり決めてくれたから、何よりも大事にしたいって思った。
与えて貰ったという点では、同じなのにね。
何でだろうな。
難しいな。
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午(プロフ) - 凛音さん» 凛音様、コメントありがとうございます!これからも頑張ります! (2019年7月13日 20時) (レス) id: b0368434d0 (このIDを非表示/違反報告)
凛音(プロフ) - いつも読んでいます!とても面白い!私は文ストの中では中也と太宰が好きなんです、これからも頑張ってください! (2019年7月13日 14時) (レス) id: 54808a52f2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:午 | 作成日時:2019年6月30日 0時