検索窓
今日:11 hit、昨日:0 hit、合計:111,802 hit

18 星の生る木 ページ19

「うん、可愛い」


 Aは、朝とは見違えた様になった。


 肩の見える、爽やかな桃色のワンピースに映える白い肌、キャメルカラーのサンダルに、肩まで切った髪はクルンと内に巻かれて。


「太宰のお兄さん……ありがとう」

「とっても素敵だよ。天使の様だ」


 太宰さんは、何時でも何でも褒めてくれる。

 褒めるのが上手い。


 きっと昔から、とても幸せな環境に居たのだろう。


「あの、ちゃんとお金とか、全部返すから」

「え?いいよいいよ」

「駄目、返させて」


 一応、そこはちゃんとしておかないと、あとで大変なことになりそうだし、それに。


「結構な量だけど、Aちゃんお小遣い貯めてるの?もしかしてお金持ちさん?」

「ううん、うちはごく普通の一般家庭……だけどね、今は頼んだら、何でも用意してくれるから、大丈夫!」

「へえ……」


 政府の人たち、私を閉じ込める為に、何でも揃えてくれたし、何でも聞いてくれた。

 家にあったものと全く同じものまで。


 でも、あれらには、全く思い出がない。


 同じものなのに、違う。


 でも、このお洋服とか、靴とか、髪も、太宰さんが一緒に選んだり決めてくれたから、何よりも大事にしたいって思った。


 与えて貰ったという点では、同じなのにね。


 何でだろうな。
 難しいな。

19 泥中の星→←17 綺羅星を飾る



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (108 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
280人がお気に入り
設定タグ:文豪ストレイドッグス , 太宰治 , 中原中也   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

(プロフ) - 凛音さん» 凛音様、コメントありがとうございます!これからも頑張ります! (2019年7月13日 20時) (レス) id: b0368434d0 (このIDを非表示/違反報告)
凛音(プロフ) - いつも読んでいます!とても面白い!私は文ストの中では中也と太宰が好きなんです、これからも頑張ってください! (2019年7月13日 14時) (レス) id: 54808a52f2 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名: | 作成日時:2019年6月30日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。