15 鬼が出るか星が出るか ページ16
中島敦は焦り顔で問題を報告する。
「大変です国木田さん、太宰さんが」
「そうか判った放っておけ」
5秒で解決した。
出勤時間になっても現れない太宰治については、探偵社全員が何時もの事かと流しがちながらも、まだまだ中島敦は杞憂する。
「って、そうではなく」
「大丈夫だよ敦君」
後ろの席の谷崎潤一郎が声を掛ける。書き終えた報告書をトントンと整えていた。
「あとでナオミが学校から出社したら、一緒に見回りする時、何となく探してみるから」
「あ、ありがとうございます。携帯も繋がらないので……」
「了解したよ」
安堵し、敦は自分のデスクへ戻る。緩やかな風を感じたので、窓の外を見やると。
「今日は暑くなりそうだな……」
シャツの腕を捲って、仕事を始めた。
「って、うわあAちゃん、裸足じゃないか!」
ではこれから何処へ行こうかとなったその時、初めて両者は気付いた。
彼女は服こそ着ているが、およそ寝間着の様なワンピースで、裸足で、髪も疎ら、完全に出掛ける服装ではない。
わ、私こんな格好で知らない内に……!
恥ずかしい。
死にたい。
でもまだ、
死ねない。
なにこれ!
つ、辛い、死ぬよりも!
「ははっ、とりあえず危ないから、ほら」
しゃがんで、手を腰に当てた太宰は。
「おいで」
微笑み、Aを呼ぶ。
それは、何だかとても不思議な気持ちで、ふわふわで。
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午(プロフ) - 凛音さん» 凛音様、コメントありがとうございます!これからも頑張ります! (2019年7月13日 20時) (レス) id: b0368434d0 (このIDを非表示/違反報告)
凛音(プロフ) - いつも読んでいます!とても面白い!私は文ストの中では中也と太宰が好きなんです、これからも頑張ってください! (2019年7月13日 14時) (レス) id: 54808a52f2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:午 | 作成日時:2019年6月30日 0時