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家に行くなんて、逃げ場を無くすみたいで、卑怯だとは思う。
けど、もう私自身、耐えられなくて...
あれだけ一緒にいたのに、急に離れると、寂しくて仕方ない。
家に着くと、稜雅くんはまだ帰ってきてなかった。
代わりにお母さんが出迎えてくれて、待つことにした。
稜母『ごめんね、来てくれたのに。最近、帰りが遅くて。てっきり、Aちゃんの家にお邪魔してると思ってたの。』
「今はちょっと...喧嘩しちゃって...」
稜母『そうだったの...。まぁ、付き合ってるとそういう時もあるわ。元気がなかったのも、Aちゃんと一緒に居なかったからね』
「私が悪いんです...。私が稜雅くんを傷つけてしまって......」
稜母『ねぇ、Aちゃん。自分だけを責めちゃダメよ。二人の問題だもの。一人が悪い事なんて無いわ。』
「...私がバイト先の友達に告白されてる所を稜雅くんがたまたま見てて...。だから、傷つけてしまったのは私なんですっ......」
稜母『そう...。あの子、やきもち妬いちゃったのね。お家まで来てくれたって事は、その事についてまだ話できてないんじゃない?』
「はい...」
稜母『大丈夫。あの子はそんな簡単に、Aちゃんを離したりしないわ。昔から、不器用なところがあるから、少し不安だったのよ。今、あの子なりに自分の気持ちと向き合ってるはずよ。』
あんなに毎日居たのに、離れてみると、全然お互いの気持ちを理解出来てなかった...。
稜母『大切だと思ってるからこそ、少し離れて再確認する必要があったのよ。』
私は、どれだけ周りの人に助けられて、甘えたら、気が済むのだろう。
一人じゃ答えが出せないくらい、稜雅くんのことばっかり考えてる。
だから、導き出された答えは、案外簡単なもので、何かに没頭する度、見えにくくなってた事にも気づけてなかった。
稜母『きっと、すぐ帰ってくるわ。部屋で待っててあげて。』
もう十分なくらい、
稜雅くんへの想いは確認できた。
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作者名:ガリガリヤンキー | 作成日時:2019年4月13日 0時