そこの博士は世界一可愛い恋人です (ページ5)

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恋人 2 〜フリード視点〜ページ5

sideフリード

俺には幼なじみが居る。物心ついた頃には隣にいて、何処に行くにも一緒だった。嬉しい時は一緒に喜び、傷つき悲しんだ時は黙ってそばに居てくれた……喧嘩をする事はしょっちゅうだったが、次の日には仲直りしていたものだ。1番の友で、親友だった

『フリード、船の方は俺が見とくから行ってこいよ』

「船にはモリー達がいるだろ？」

それが…いつの間にか友の境界線が分からなくなるほどの存在になっちまって、惹かれて、気付けば今の関係になっている。思わず口をついてでた言葉に遅れて気付くが、Aはニィと口の端を吊り上げおかしそうに笑う。此奴がこの表情をするのは必ず決まって俺が何か言っちまった時なんだ！

『そうかそうか、んじゃあ一緒に行くか』

そう言ったAは嬉しそうに笑って飛行船から飛び降りる。船の修理に必要な材料を調達する為に島に降りたんだが……なんであんなこと言っちまったんだ俺は……何時もそうだ……いや理由なんて分かり切ってる。此奴に惚れてるから、傍に居て欲しいから…俺が離れたくないからあんなこと言っちまう

『手、繋いでやろうか？』

「そこまでしなくていい！」

『照れんなよ』

俺より幾らか背の高いAはそう言って笑顔を浮かべた。マードック達にもリコにも向ける笑顔とは別物の笑顔…ほんの少しだけ違うのが俺には分かる。自分で言うのもアレだが、此奴が俺を見て笑う時は少しばかり皺が寄る。そんな僅かな違いさえ分かってしまうんだから、我ながら重症だな

『エクスプローラーズ……ってのは、なんでそんな執拗にリコちゃんを追うんだ？可愛い子を誘拐しようってのか？』

「…あれ、言ってなかったか？」

『言ってねぇな。なんも聞いてねぇぞ。護衛対象、としか聞いてねぇ……や、待て。理由を聞かなかった俺も悪かった』

リオルを抱きながら歩くAに言葉を返すと、聞いてないと答えが返ってきた。またやっちまったと思って謝罪をしようとするが、奴はそれより早く俺の口を手で塞ぎ眉を下げて苦笑をこぼす。自分も悪かった、と…俺だけが悪いのだと此奴は絶対に言わない

『道中、簡潔に説明してくれれば良いよ。お前のソレは昔からだもんな、分かってて聞かなかった俺も俺だ』

「……」

『……おー……？…フリード、お前俺への耐性弱くなってねぇか…』

Aから指摘され俺は拳を握りしめる。自分でも体温が上がっているのは分かってた。暫く会えてなかったんだから仕方ねぇだろと言えず黙っていればリオルにゴーグルを引っ張られた。なんでだ…