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「あー…僕としたことがすっかり忘れてた。A、口を開けて。」
「…ッ…、はぁ…っ……ッ、は……い…ッ…」
茂みの奥の秘部に舌を這わせて吸い付いた瞬間、はしたなく感じ入った声を出したAに、感度が良すぎるのも考えものだなぁ…なんて思いながら、部屋備え付けの小箱の中から懐紙を一枚取り出して、軽く折ったものを、艶めかしい吐息を零すAの唇にそっと当て置く。
「これを唇で咥えて、声を堪えるんだよ。落としたらお仕置きだからね？じゃあ、続きをしようか――。」
言い聞かせて、懐紙を咥えたのを確認してから、再び体を屈めて、閉じかけていた足を再度開かせ、今度は茂みのさらに奥の割れ目を下から上に、舌でなぞる。
「…ッンーーーっ、ッ、ン…っ、ンンッ…ッ……ンっ、んっ…！」
「上客の中にはね、こうやって普通ならやらない、こんなことをやる客も稀にいる。御職でも張れるまでに昇りつめればこういう行為は嫌だと突っぱねることもできなくはないけど、客を取り始めた最初の内はそんなことはできないし、してもいけないし、よほどの酷い行為でない限りはうちの見世では断りもしていないから受け入れなきゃいけない。」
他所の見世ではこの行為を閨で行うこと自体を禁じている所もあるけれど、うちの見世では客がよっぽど酷い行為に及ばない限りは拒否できないことにしてある。
というのも、うちの見世に通っている上客の中には遊び慣れて新たな刺激を求めてくる者も少なくなく、妓女、妓郎の手管だけでは、逆に時間がかかってしまう場合があるのだ。
この行為を禁じていない背景には、その無駄な時間の短縮というものがあって、楼主であるナムジュンは逆に客が好きに手を出すことを推奨している節すらある。
「…ン…っ―――…ッ、ん…ッ、んぅ…ッ…」
「あと、普通はこうやって口と舌で悦いトコロを責められるだけだけど、好きな奴はこのままこうやって――…」
「…っ、ん゛ん゛ぅ゛…ッ、ン…っ、ん゛…ッ、…――…ンンっ！」
「指を突っ込んできたり後ろの穴にまで手を出して来ようとする奴もいる。…ああ、男の場合はそこが商売道具だから当然なんだけど、女はうちでは許可してないから。後ろを弄ろうとしてくる奴が居たら、直ぐに声を出して騒ぐんだよ？」
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作者名：おるが
| 作成日時：2020年8月3日 2時
