◆テヒョン （JK＊TH） ページ3
.
生まれ落ちた瞬間から、俺の運命は決まっていたらしい。
ここで生きて、ここで死ぬのだと。
JK「ねぇ、何考えてるの？」
「別に、何も。」
「そう？じゃあ、ちゃんとやってよ。」
言われて、ああ…客を取っている最中だったな…と思い出すあたり、集中できてないし、考え事をしていたのは明白なのだが、それをコイツに謝るのはなんとなく癪だから、何もなかった振りをして、目の前でこれでもかというくらいに存在を主張しているソレに、顔を近づけしゃぶりつく。
「…んっ、ぁ……堪んないっ……ねぇ、ッ、一回、顔にかけてもいい？」
「ッ、…ンっ、……は…、っ…や、だっ…」
顔になんてかけられたら、時間かけてやった化粧は落ちるし、髪にかかったら洗髪もしなきゃいけないし、なにより、かけられるっていう行為がそもそも好きじゃない。
…でも。
「一両」
「絶っ対、嫌」
「じゃあ、追加で十両。それに反物も十両分追加って言ったら？」
嫌だからというそれだけの理由のために、馬鹿じゃないのかと思うくらい金を落としていくコイツが俺から離れていくのは、困る。
「…絶対…っ、髪にはかけるな…ッ…」
「ははっ、やった。じゃあ、ほら、…もっと舌使ってさ、悦くしてよ。」
「言われなくても、それが、俺の仕事だし…っ…」
着飾って、言葉巧みに心を惹き寄せて、体を張って、綱渡りの日々を繋いでいく。
「本当は、そんなことしなくても、稼げるのに――？」
「俺は――…っ、ン…そんなに、…っ、器用じゃ――…無いっ……っ、ンッ、…ぁ…あっ…」
ドクン…と波打った瞬間に唇から引き抜かれ、顔に迸った温もりを。
掌で拭い、舌先で掬い取って、一滴も残すことなく呑み尽くす。
「うぇ…っ……不味っ…」
「呑まなきゃいいのに。」
「呑まなかったら、お前…ヒョンにチクるだろ…。」
「まぁね。」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 362人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「BTS」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：おるが
| 作成日時：2020年8月3日 2時
