・ ページ13
.
「ハァー……」
深い、ふかぁーい溜め息を吐かれ、思わずヒィイ…と息を呑んでいると、ジョングク君が電話の向こうから、切々と語り出した。
「ヌナ…会社の中に居るからって、それが全員その会社の社員とは限りませんよね？」
「…え…？」
「関係子会社、または出入りの業者、代理店の営業だって呼ばれれば社内に居たりするじゃないですか。」
「あ…、うん…」
「同じ建物に居たからって、社員って一括りで考えるのはやめた方がいいですよ？」
なんか、もっともらしいことを言われた気がするけれど。
とどのつまり…？
「グク…ｋ…じゃなっ…、ええっと、じゃあ、グクはウチの会社の社員じゃ…ないの…？」
違うならホッと安堵することができるけれど、事と次第によっては、早急に口封じをする必要がある。
万が一…万が一にもジョングク君が社員であるならば、…あの日のことは、ぜっっっったいに、秘密にしてもらわなければっ…！！！！
そんな訳で、淡い期待と一抹の不安が入り混じる中、爆発しそうになる感情を必死に抑えながら、意を決して聞いたのに。
「秘密です♪」
なんて言われたら、誰だって荒れると思うんだよね。
「っ……はぁああああっ？！教えなさいよっ！！！！」
思わず大声を出してしまって、部屋に木霊した自分の声にハッ…と我に返り急いで小声に切り替える。
「今後の私の勤務中の心の平穏に差し障るのっ！！！！所属までは聞かないからっ！社員かどうかくらいは教えてくれてもいいじゃないっ！！！！！！」
万が一にも社員なのだとしたら、所属と勤務時間帯まで聞き出して、金輪際そのエリアには近づかないようしたい位の所を我慢してるのにっ！！！
「教えたら、ヌナ、僕と遭遇しないように全力で画策するでしょう？」
「…ぃ、いやぁ？そっ…そんなぁ、ことはっ…」
「ヌナ、嘘つくの下手ですよね。絶対、教えませんから。」
企みを見破られた上に、嘘下手なのも把握され、挙句、絶対に教えないと言われ…。
「酷い……っ、酷過ぎる…ッ…！！私の個人情報だけがどんどん漏洩してるじゃないっ？！！！」
「知ってるのは僕だけだからいいでしょう？それとも―――他に、知って欲しい人でも居るんですか？」
「…え、いや…いない………っていうか、この前私振られてるの知ってるでしょっ！？」
そのせいでやけ酒煽って我を忘れて色々やらかした結果がコレ…。
今、この現状！
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 680人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
rurinigana - 面白いです！！続き待ってます！ (5月20日 4時) (
レス) @page19 id: de2f826e82 (このIDを非表示/違反報告)
*** - 最初グクじゃなくてニキかと思った (2022年8月9日 17時) (レス) @page18 id: 835888cc0e (このIDを非表示/違反報告)
おるが(プロフ) - ***さん» お話愉しんで頂けているようで嬉しい限りです♪これからもっとわちゃわちゃ他のメンバーも出て来て賑やか＋色気もある感じのお話になっていく予定なので、お愉しみただける様まったりですが更新頑張りますね！コメントありがとうございます！ (2022年8月6日 23時) (レス) id: 8701f20bcc (このIDを非表示/違反報告)
おるが(プロフ) - mさん» そう言っていただけると嬉しい限りです♪これからもっと他のメンバーも出て来てわちゃわちゃしつつ甘い雰囲気にもなる予定なので、まったり更新ですがお楽しみいただけましたら幸いです♪ (2022年8月6日 23時) (レス) id: 8701f20bcc (このIDを非表示/違反報告)
*** - めちゃくちゃ面白いです!! (2022年8月6日 22時) (レス) @page16 id: 835888cc0e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：おるが
| 作者ホームページ：https://plus.fm-p.jp/u/garakutabox/mypage
作成日時：2022年7月23日 3時
