手芸部 ページ5
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『通らない…』
とある日の家庭科の時間。私はこの時間が最上級に嫌い。
だってお裁縫とかお料理とか無理なんだもん。中学三年生にもなって「エプロン作りましょう！」とか言っておバカだよね。
このエプロン作りの授業は何回かやったが、私はまだ半分も終わっていない。けど、ここのクラスの3分の1の生徒がすでに終わらせている。
皆んなはもう作業を始めているのに、私だけ初歩中の初歩である糸を針に通す作業に苦戦していた。
…やってやる。
『いけ、そう…』
あ、入った！！
「もうこれだけで私は任務を終えた気がする〜…」とパラパラ説明書を捲るものの、意味不明すぎて終わりを感じた。
『はあ…』
「糸通ったか？」
『…みっくん』
「呼び方、また変わってる」
「ハハッ」と笑いながら隣に座る三ツ谷くん。
「お、入ってるな。成長した」
そう、この糸通しは前までは10分くらいかけてやっていたが、今日はなんと3分でできた。それも、三ツ谷くんのおかげ。
なんと言ってもコツを教えてもらったからね！
「なんかわからない？」
『あのね、ここってアイロン使うのかなって』
「そう。ここは…」
さらりと助けてくれる三ツ谷くん。
三ツ谷くんはなんと手芸部の部長さんでこういうのは得意らしい。極め付けは妹が2人いるからなんでもこいの男の子だ。
『(…負けた)』
私はもう女の子として終わってる。
そう、あれは衝撃的だった。
三ツ谷くんが手芸部の部長だと知った時。
ーーーーー
ーー
ー
クラス中でこの時間は引っ張りだこの三ツ谷くん。
「なんでかなー」と思いながら自分の作業を必死にやっていたらさっきのように「大丈夫か？」と声をかけられた。
『三ツ谷くんってお裁縫得意なんだね』
「まあ、一応手芸部の部長だからな」
『…へ』
時が止まったよね。
ー
ーーー
ーーーーー
「A、ちゃんと聞いてるか？」
『んぇ？』
「…聞いてなかったな？」
『き、聞いてた聞いてた、あれだよね、うん！』
「“あれ”って？」
『…ごめんなさい』
正直に謝れば「ちゃんと聞いてろよ」とデコピンされた。
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水原カノ(プロフ) - 釉夢さん» えー！ありがとうございます！(*^^*)がんばりますっ！ (2021年9月18日 15時) (
レス) id: e0da8650d9 (このIDを非表示/違反報告)
釉夢(プロフ) - じゅ じゅつの作品から飛んできました！ 夢主ちゃん天然でかわいいですね！投稿頑張ってください！ (2021年9月16日 22時) (レス) id: 04e2962a49 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：水原カノ
| 作成日時：2021年9月16日 21時
