【ジョジョ】誰かに教えてほしくて 14

第六百九十二話：逃走　2 ページ36

〈side DIO〉

ウィル「ヒィィィエェェェーーッ！」



男は悲鳴を上げながら、今度は反対側のドアから身を乗り出した。

…貴様をここに戻すのは、わたしや〈世界(ザ・ワールド)〉がしなくてはならない。いい加減に諦めろ。二度手間とは無駄なことなのだ。


ー


ウィル「なっなっな⁉なんだァァッ⁉

そ……外に飛び出したと思ったら、どっ、どおぉして中にィィィーーッ⁉」



うるさくて、しつこくて、学習しない。不便な男だ。人間の中には賢いものもいれば、こういった阿呆もいる。

ジョースターの一族……その中において、ジョセフ・ジョースターは確実に賢い部類に入る。早いところ始末せねばならんのだ。




DIO「あの軽トラックに追いつくまで飛ばせ……。追いつけなければ殺す。」

ウィル「はっ、はいぃぃーー！」



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〈side ジョセフ〉

花京院を隣に乗せて、トラックを運転しながらも、わしはヒシヒシと奴の気配を感じていた。

奴がかもし出しているドス黒い雰囲気は、依然として遠くならない。むしろこちらに近づいてきている…。




ジョ「追ってきているのだ……、奴はわしらを追ってきている！」

花京院「DIOにはジョースターさんの位置が正確にわかるのですか？」

ジョ「いいや、そうではない。」




奴の体は、わしの祖父ジョナサン・ジョースターのものだ。

不思議な肉体の波長のようなもので存在は感じるが、『近く』というだけで、場所は正確にはわからないだろう。
わしが館の近くまできながら、奴の居場所が正確にわからなかったようにな……。




ジョ「奴が感じているのは、なんとなく『ジョースターが近くにいる』というだけで、わしと承太郎の区別もついていない。

承太郎とわしが二手に分かれたことも気づいていないはずだ。」




そこまで話して、ふと花京院がなにかソワソワしていることに気がついた。しきりに外を気にしたり、携帯電話を開いてみたりしている。

なんじゃあ、こんな時に？




ジョ「どうした花京院。携帯ばかり気にしおってからに？現代っ子ってやつか？」

花京院「そうじゃありませんよ、さっき悠さんから連絡があったんです。」

ジョ「なにっ、ハルからか？」




ハルのやつはイギーを連れて動物病院へと向かったはずだ。負傷が激しいため、DIOと戦うのは難しいであろうアヴドゥルが迎えに行ったはずだが……。




花京院「どうにも不安なんです…嫌な予感がする。」




窓の外を見つめながら、花京院はグッと唇を噛んでいた。

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