第六百五十九話 ページ3
〈side ジョセフ〉
ブチ壊した扉の先を通り、承太郎と共に駆け出した。しばらく走っていると、上へ続く階段へと差しかかる。
おそらくDIOは館の上階にいる。わしらは館の中の階段を探して、より上へと向かわなければならんのだ。
承太郎「…止まりな、じじい。右前方に何かいる。」
その時、前を走っていた承太郎がわしを手で制した。
承太郎は、階段の先にあった大きな扉をにらみつけている。…確かによく見れば、開いているその扉には手がかけられていた。
⁇?「ハァ…ハァ……ひいいっ⁉」
ジョ「…女だ。」
扉の陰から出てきたのは、息を切らした女だった。
わし達を見てなぜか悲鳴を上げたその女性は、ガクリと膝を折る。ついには顔を覆って泣き出してしまい、わしは承太郎と目を見合わせた。
女性「ひええええーーッ!
ゆ…許してください〜〜〜っ!血を吸わせないでェ〜〜ッ、わたしの血を吸わせないでェ〜ッ!」
血を吸わせる?…ということはこの女性は、おそらくDIOの食糧として連れてこられた人間なのだろう。
自力で逃げ出してきたのか?そこをわしらに見つかったので、捕まると勘違いしたのだろう。
女性「あああ〜〜〜っ、何でも言うことを聞きます!だから命だけはお助けくださいッ!あああ〜ッ!!」
ジョ「お…おい君、待て!落ち着きたまえ!」
女性「ひいいいいいーーーッ!もう逃げようとはしません!命だけは……お願いですゥゥゥーーーッ!!」
ひぃ〜〜、いくら混乱しているといえど、よくもまあこんなにピーピーと泣き喚けるものだ。
少しはこちらの話も聞かないか!まったく。
どーしようもないので、わしは出来る限りゆっくりと、優しく彼女に話しかけた。
ジョ「落ち着くんだ、わしらはDIOの手先ではない!
吸血鬼でもない、味方じゃ!助けてやるから、まずは落ち着くんじゃ!」
そこまで言って、女性はやっと涙を止めた。パッと顔を上げて、うるんだ瞳でわしと承太郎を交互に見つめてくる。
彼女はまるで「猫の手」のようなポーズをこちらに向けて、ホッとしたように笑みを浮かべた。
女性「…味方……ハア、ハア、味方?
ほ…本当に味方なのですか?本当に助けてくれるのですか?」
承太郎「そうだ、味方だぜ。」
喜んでいる女性に向けて、承太郎は抑揚のない声でそう伝えた。そして唐突に拳を握ると、スタープラチナを出現させる。
その拳を、承太郎は勢いよく叩きつけた。
…ーメシャアッ!
女性「ブッッ⁉」
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サナ - 前の誰かに教えてほしくて13で、まさかの、推しに告られるとは………。びっくりです。(この作品最近ハマってますっ!キュウべえさんの作品まじ神っ!!) (2022年8月13日 13時) (レス) @page11 id: d7d01d7c2d (このIDを非表示/違反報告)
キョウべえ(プロフ) - ピーカンパイさん» わ〜!ぜひぜひ仲良くしてほしいです!ゼペット……すみません、流行に疎くて、よくわからぬのです。いつもありがとうございます! (2020年7月11日 19時) (レス) id: f69dbdccac (このIDを非表示/違反報告)
キョウべえ(プロフ) - こけし@黒死牟さんはロリさん» ぜひお願いします…DIO様をチャチャッと倒しちゃってください!旅行か〜、そういうお話も楽しそうです! (2020年7月11日 19時) (レス) id: f69dbdccac (このIDを非表示/違反報告)
ピーカンパイ(プロフ) - のりぴいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいあとのりぴーの誰かに教えてほしかったのところで(最高すぎて)昇天しました。キョウべえさんのせいです。おわびに友達に(((ゼペットっていうゲームしましょ((( (2020年7月10日 17時) (レス) id: 72c8a4a708 (このIDを非表示/違反報告)
こけし@黒死牟さんはロリ(プロフ) - DIOチャンは私が倒す みんなは幸せに 旅行でもイキナサァイ (2020年7月8日 16時) (レス) id: ae1e4ed40f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:キョウべえ | 作成日時:2020年7月5日 6時