貴女にあげるもの ページ9
「Aさん、今日はきのこのスープを作ってみました」
「今日の夜7時、モストロ・ラウンジにおいでください。開発中の料理があるのですが、味見してくれますか?」
「Aさん、丁度良かった。これ、貴女のために作ったお弁当です。一緒に食べましょう」
最近、彼がよく私に餌付けしてくるようになった。
対価を払え、と言われるのかと思って断っていたのだが、まったくそんなことはなくて。
普通に美味しいし、見た目もすごいオシャレだし。
文句を言おうにも言えない。
ただ一つ、気になるのがある。
味付けが少し甘い、ということだ。
まあ甘いのは嫌いではないし良いんだけど……
今日はなにを食べさせてくれるんだろう、なんて。
教室の窓を覗けば見える、2−Eの体力育成。
ぼんやりとそれを眺めていれば、ジェイドとばっちり目があった。彼は口を動かし、私に何かを伝えようとしている。
なんで今伝えようとして…
「……ッ!?」
「A?急にどうした?」
「あ…いや、なんでも」
隣に座るカリムに心配されて、大人しく黒板のほうを向く。
無論、先生には“バッドガール”と怒られた。
こ の あ と な か に わ に き て く だ さ い
彼に餌付けされたのは、言うまでもない。
147人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ツイステ」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:**すずめ** | 作成日時:2020年4月10日 23時