私の運命の王子様！③【シャルナーク】 (ページ40)

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【シャルside】

俺は、甘ったるい匂いが好きではない。

でも、Aのそれは大好き。

俺にとってそれは、甘い甘い毒だ。

かわいいなぁ、本当に。

そう思った瞬間、Aは突然「あっ！！」と大声を出した。

思わず手を止め、目を丸くして見下ろした。

『どうしたの？』

「部屋に忘れ物が…。」

＂何だ、そんなことか。＂と思い、Aの首元に顔を埋める。

すると、Aは俺の首から手を離し、俺の頭を掴んだ。

「ごめん、今すぐ取りに行きたい。」

『…え？』

生き地獄だ。

こんな寸止め…俺にとってきつすぎる…。

『嫌だって言ったら？』

「……土下座して取りに行く。」

いやいや、Aに土下座なんてさせれるわけない。

俺は渋々了承し、体を起こした。

すると、Aはパパッと服を整え、「ごめん！」と言って、俺の部屋を後にした。

『ああああ…。』

ソファーに置かれたクッションに顔を埋め、ため息と同時に抜けた声を出した。

やっと触れられたAの匂い、体温、感触…一言で表すと＂ヤバイ＂だ。

好きすぎておかしくなりそう。