私の運命の王子様！③【シャルナーク】 (ページ25)

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【シャルside】

Aの姿が見えなくなり、ずっと鳴っているスマホの画面を見た。

陽菜からではなくクロロだった。

「あ、シャルやっと出てくれたな。

クリスマスデートを邪魔してやろうと思って電話したんだ。

Aちゃんとよろしくやってんのか？

シャル？何黙ってんだ。」

クロロの声が頭に響いて痛い。

俺は全部話した。

「…は？

Aちゃんを放っておいて陽菜のところに行ったのか？」

信じられないという声色だった。

「シャル、何やってんだ。

…Aちゃんに甘えてどうすんだよ。」

『甘え…？』

「Aちゃんなら理解してくれるって思ったんだろ。

それが甘えだって言ってるんだ。

やましいことなんてないから、陽菜のそばにいてやったんだろうけどさ…。

でも、陽菜はどうなんだよ。分かってんだろ。」

クロロの言葉が胸に突き刺さる。

どうすればいいのか分からない。

『クロロ、俺…どうすればいいの。』

「俺だって分からない。

もうこれ以上はシャルのこと責めないけどな。

そうだな…大事なこと忘れるな。」

電話を切り、柵にもたれて、ずるずるとその場にしゃがみ込んだ。

目、合わせてくれなかった。

当然だ。

それだけのことをした。

イラつくことがイラつく。

『…子供だなぁ…。』