私の運命の王子様！③【シャルナーク】 (ページ20)

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【シャルside】

19時前。

集合場所にやっと着いた。

辺りはイルミネーションを見に来たであろう人たちで溢れていた。

A…。

はぁはぁと肩で息をしながら首を左右に動かして確認するが、やっぱりAはいない。

コートのポケットからスマホを取り出して電話をかける。

「おかけになった電話は…。」

電源が切られている時の機械音が鳴り、俺は思わず舌打ちをしてしまった。

大きくため息をつき、その場にしゃがみ込んだ。

『A…どこにいるの…。』

「あの、今ひとりですか？」

顔を上げると2人の女の人がいて、俺と目が合うと、互いに目を合わせて嬉しそうにしていた。

「もし、ひとりなら一緒に遊びませんか？」

「すっごいイケメンだしね！」

今はこの甘ったるい声と、甘ったるい匂いが不快で仕方ない。

ああ、もう、イライラする。

『悪いけど、ひとりじゃないんだよね。

どこかに行ってくれない？』

「えー、でもぉ…。」

『どこかに行って。』

荒い口調でそう言うと、2人は逃げるように去って行った。

俺はその背中を見ながら、呆れるようにため息をついた。

関係のない人に八つ当たりをしてしまった。

クシャッと前髪を掴み、鞄の中からAへのプレゼントを取り出した。

光沢のある白い小箱に、ピンク色のリボン。

Aに今すぐ会って謝りたい。

そして、抱きしめたい。

世界で一番好きだと伝えたい。