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「俺、Aと別れてから彼女できてない。
芸大の忙しさ舐めてた…。」
『キルアならできるって。』
「そうか？」
キルアは椅子の背もたれに思いきりもたれ、天を仰いだ。
「もしも、キルアがAのことをまだ好きだったらどうする？」
シャルの言った言葉を思い出したが、キルアのこの感じを見ると、ぜっっっったいに私のことなんて好きじゃない。
「送るぜ。」
『いや、大丈夫だから！ありがとう！さようなら！』
キルアにまくし立てるように言い、カフェの前から逃げるように部屋に帰った。
彼からLINEが何通か来ていたが、申し訳ないけど既読スルーをした。
��帰れた？��
��本当に飲み会開くぞ。��
��シャルくんによろしく。��
あーもう！
好きに言っといて！！
すると、またスマホがブーッと鳴った。
キルアからだと思って見ると、まさかのシャルからだった。
��校門で待ってるよ。��
心臓がドッキーンと跳ねた。
やってしまった。
今日はシャルもサークルがないし、一緒に帰る約束をしていたのをすっかり忘れていた。
��ごめん！
うっかりしてて、先に帰っちゃった…。��
シャルにキルアのことは言えない。
元彼と2人で会ってましたなんて、言えるはずない！
ごめん、嘘ついちゃった…！
��えぇ、仕方ないなぁ…。��
ポンッと送られてきたのは、犬のキャラクターがぷんすかと怒っているスタンプ。
何だか、その犬にも申し訳ないよ…。
『ぬわぁぁ…。』
変な声を出し、ベッドに倒れ込んだ。
シャルに正直に言うか、言わまいか…。
言った方がいいのは分かるのだが、怒るだろうしなぁ…。
言わなかったとしても、バレてしまった時…。
でも、言う勇気ないしなぁ。
でも、言わないとなぁ…。
私の中で葛藤が続いたが、結局天秤は均衡を保ったままであった…。
答えが出せないまま時間が経ち、夜ご飯の材料を買うために部屋を出た時だった。
『あっ。』
「あ。」
部屋に入る瞬間のシャルと出会った。
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作者名：きなこもち | 作成日時：2021年5月2日 11時
