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休憩 ページ23

【シャルside】



彼女は俺の腕の中で大人しくしている。



あの痛みがかなり効いたのだろう。



心做しか顔色も悪そうだ。



俺はゆっくり彼女をベッドに下ろす。



シャル「何か欲しいものとかある?」



そう聞くと彼女は俺のノースリーブの服の裾を掴んでこう言った。



『…こ、こにいてください…。』



微かに頬を赤らめながらそう言い放った彼女が可愛くて仕方がなかった。



シャル「よろこんで。」



と、彼女の寝るベッドに腰掛ける。



彼女が手をせがんできたので素直に俺も彼女と手を重ねた。



小さくて脆そうな手は出会った時と同じように冷たかった。



シャル「また寒いの我慢してるでしょ。」



『……。』



シャル「寒いならそう言ってって言ったでしょ?」



『…さっきまではさむかったけどいまはシャルがてをにぎっててくれているからだいじょうぶです。』



と、気まずそうに言う彼女。



叱りたかったがイライラがどこかに行ってしまう程に可愛かった。



シャル「しょうがないなぁ。」



『こもりうた、うたってください。』



シャル「Aって意外と我儘だよね。」



『そうですか?』



シャル「自覚なしか。


まあいいよ。その代わり早く寝てね。」



『…はい。』



それから俺はあまり自信がない歌声で子守唄を歌った。



この歌でも満足したようで彼女は数分足らずで眠ってしまった。



しばらくして深い眠りについたのを確認して、俺はベッドから腰を持ち上げる。



そして物音を立てないように部屋から出て、広間に戻った。

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作者名:きなこもち | 作成日時:2021年4月16日 17時

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