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【???side】




吐くのに疲れてその友達はぐっすり眠る。




俺は座りながらその子の頭を優しく撫でていた。




ここに来て今日で何日目だろうか。




そんなこと分かるはずもないけど。




物心ついた時からここにいた。




この友達も俺と同じ。




ここがどこかの研究所だということはここの研究者の人からもらった分厚めの本で学んだ。




難しい文字ばかりの本。




齢7の俺には到底理解はできなかった。




俺は足が痺れてきて少し体制を変えながらぼーっとしていた。




扉の向こうに行ったあの子は元気にしているだろうか。




2年前に別れを告げたあの子は今頃どうしているだろう。




機械だらけの白い部屋の中、苦いクッキーをおやつに食べながら、目を覚ました友達と壁を見ていた。




「いつかあの丘を越えて、その向こうでふわふわ羊と踊りたいな!」




ただ俺はそっと頷いた 。




「あれは壁に描かれた絵だよ。」




だなんて、言えない。




別にモルモットの気持ちなんて分からなくたっていい。




俺の世界におしまいが訪れるまで、淀んだ空気を吸って吐くだけ。

8→←6



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きなこもち(プロフ) - ダチュラさん» ありがとうございます(*'ω'ノノ゙ (2021年5月28日 6時) (レス) id: 9b397e807b (このIDを非表示/違反報告)
ダチュラ - 初見です!!御伽噺の遠回しな表現が、すごい……!! (2021年5月27日 22時) (レス) id: d99cf3ac4a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:きなこもち | 作成日時:2021年4月4日 20時

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