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「じゃあA、フェイタンのお願い聞いてあげてね。」
『えー、シャルが勝手に言い出したことでしょ？』
「じゃあワタシあの本読むね。」
『わかったわかった。
その代わり私に叶えられる範囲でね。』
「それは分かてるね。」
いや絶対分かってなかったでしょ。
フェイタンならどんな残酷なお願いをしてくるか分かったもんじゃない。
考えただけでも背筋が凍りそうだ。
「……しい。」
『え？』
「いしょ(一緒)に寝てほしい…。」
『……。』
「何故黙るか。」
『いや、まさかフェイタンからそんな可愛いお願いがくるとは思ってもいなかったから。』
「喧嘩売てるか。」
『ごめんごめん。』
「えー！俺もAと寝たいよ！」
『シャルナーク少年、その言い方は語弊があるぞ。』
「なら俺も寝る。」
『“なら”って何だ、“なら”って。』
まあいいか。たまにはこういうのも。
「じゃあ、俺Aの隣がいい！」
「何言てるか、シャル。
Aの隣はワタシね。」
「もうここは平等に俺が隣で寝よう。」
『皆、ちょっと落ち着いて。
ここはジャンケンで決めましょ。
でもこれはフェイのお願いだからフェイは私の左側で寝てね。』
するとフェイは嬉しそうに俯いた。
いつもそれくらい素直だといいのにね。
「じゃあいくよ！ジャンケン、ポン！」
結果的に私の左側がフェイ、右側がクロロ、その隣がシャルという順番になった。
「えー、Aの隣がよかったのに。」
『じゃあ今度隣で寝てあげるから。』
「ほんと？！やったー！」
「シャル、うるさい。
もう夜中なんだから静かにしろ。」
「別にいいじゃん。教会の周りには何も無いしここにも俺たちしかいないんだから。」
『はいはい、喧嘩しないの。』
この子達は何回喧嘩すれば気が済むのか。
でも楽しいからいいかと自己完結し、私は目を瞑った。
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きなこもち(プロフ) - ダチュラさん» ありがとうございます(*'ω'ﾉﾉﾞ (2021年5月28日 6時) (
レス) id: 9b397e807b (このIDを非表示/違反報告)
ダチュラ - 初見です！！御伽噺の遠回しな表現が、すごい……！！ (2021年5月27日 22時) (レス) id: d99cf3ac4a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きなこもち | 作成日時：2021年4月4日 20時
