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【シャルside】
ここ、どこだろう。
クロロに散歩に行ってくると伝え、俺は教会の外に飛び出した。
しばらくの間ずっと教会にひきこもりっぱなしだったので、久しぶりの外に興奮が抑えられなかったのだ。
そのせいもあってか、俺は調子に乗って教会からかなり離れたところまで来てしまっていた。
周りには何も無い。
あるのは瓦礫の山かゴミの山。
だんだんと雲隠れする余波の月。
あっという間に辺りは闇に包まれた。
鮮明に見えない視界に少し不安を抱きながらまだ足を進めていく。
すると背後に人の気配を感じた。
Aが迎えに来てくれたのだと振り返る。
でもそれはAとは大違いで、俺の身長の3倍くらいあるガタイのいい男性だった。
「こんな夜中にガキ一人かよ。」
と、男が呟く。
容姿から察するに、彼はここの住民ではないようだ。
「おいガキ。俺と一緒に来い。」
怖かった。
もしついて行ったら一生Aやクロロ、フェイタンに会えない気がして…。
俺は首を横に振った。
「チッ…手荒な真似はしたくなったが…。」
と、男は俺の手首を乱暴に掴む。
成人した男性の握力はかなりのもので、俺の骨をミシミシと音を上げさせた。
「い゛っ…!」
あまりの痛さに声を上げる。
「大人しくついてこないのが悪いんだぜ。」
男は気持ち悪い笑みで笑う。
こんなやつについていくなんて嫌だ。
早くA達のもとに帰りたい。
でも怖くて反抗ができなかった。
反抗したら手が出されそうな気がしたから。
俺は涙目になりながら必死に恐怖に耐えた。
もう打つ手がないと諦めかけていたその時…。
『ねぇ、その子から手を離してくれない?』
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きなこもち(プロフ) - ダチュラさん» ありがとうございます(*'ω'ノノ゙ (2021年5月28日 6時) (レス) id: 9b397e807b (このIDを非表示/違反報告)
ダチュラ - 初見です!!御伽噺の遠回しな表現が、すごい……!! (2021年5月27日 22時) (レス) id: d99cf3ac4a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きなこもち | 作成日時:2021年4月4日 20時