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『あ、勝手に連れてきちゃってごめんね。』
少女は俯いたまま黙ったままだ。
「おい、Aが話しかけてるんだ。
返事をしろ。」
『まあまあ、落ち着いてクロロ。』
めっちゃイラついてるクロロはシャル達に任せて私は少女の前にしゃがみ込んだ。
『私はAって言うんだ。君の名前は？』
「…。」
「おい、お前。いい加減に…。」
『大丈夫だから。』
「っ…。」
ちょっとトーンを落としてそう言うとクロロは黙ってくれた。
『ねぇ、何でさっき私たちのこと見てたの？
君はどこから来たの？
お母さんとお父さんは？』
「…。」
雨の音だけが教会内に響く。
気まずいな、これ。
仕方ない、あれを使うか…。
私は少女の頭にぽんっと手を置いた。
夢の中で見たあの魔法。
使えるかどうかは分からないけど試してみる価値はある。
そのまま目を瞑り、念じた。
『もう一度聞くね。あなたの名前は？』
「マチ……？！」
お、成功した。
「何でアタシ…。」
『やっと喋ってくれたね。
ごめん、ちょっと君に魔法をかけちゃった。』
「すごいね…相手を操作する魔法なんて。」
『うーん…まさかできるとは思わなかったよ。』
「それもまた夢の中で見たのか？」
『うん。最近こればっかでちょっと飽きてきたぐらいだよ。』
ふと横目で少女を見ると彼女は目を細め、肩が少し震えていた。
『ごめんね、びっくりしたよね。
これは危害を加えるものじゃないから身体に支障はないはず。』
「…。」
それを聞くと彼女は少しだけ安堵の表情を見せた。
可愛いな←
「で…アタシに何の用？」
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きなこもち(プロフ) - ダチュラさん» ありがとうございます(*'ω'ﾉﾉﾞ (2021年5月28日 6時) (
レス) id: 9b397e807b (このIDを非表示/違反報告)
ダチュラ - 初見です！！御伽噺の遠回しな表現が、すごい……！！ (2021年5月27日 22時) (レス) id: d99cf3ac4a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きなこもち | 作成日時：2021年4月4日 20時
