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そう彼女が唱えた瞬間、男が光に包まれた。
あまりの眩しさに俺は目を細める。
「うわぁぁあ！」
男の叫び声だけがその場に木霊した。
すると腹部に暖かい感触が…。
目を開けると俺の視線は高くなっており、
しばらくして俺がAに抱き抱えられているのだと認識した。
『シャル、大丈夫？』
「うん！」
俺は感情を押し殺して精一杯笑った。
俺は今上手く笑えてるだろうか。
Aには心配をかけたくなった。
絶対クロロ達にも迷惑をかけてる。
俺が勝手に外に出なんてしたから…。
そんな俺の頭をAは優しそうな顔で撫でてくれた。
『それじゃあ、帰ろうか。』
え…あの男は？
そう聞こうとしたが慌てて口を噤んだ。
Aがとても哀しそうな顔をしていたから。
今にも泣き出しそうなAに俺はギュッと抱きつく。
俺を見たAはギョッと驚いた。
『え、シャル…どこか怪我したの？』
いつの間にか俺の頬には一筋の涙が伝っていた。
慌ててそれを拭い取る。
『シャル、泣きたい時は我慢しちゃダメ。
我慢すると押し殺した感情がいつか爆発して壊れちゃうよ。』
「…。」
『怖かったんだよね。
もう大丈夫だよ、家に帰ろ。』
「っ…！」
それから大声で泣きじゃくった俺はAに抱き抱えられながら教会への帰路へとついた。
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きなこもち(プロフ) - ダチュラさん» ありがとうございます(*'ω'ﾉﾉﾞ (2021年5月28日 6時) (
レス) id: 9b397e807b (このIDを非表示/違反報告)
ダチュラ - 初見です！！御伽噺の遠回しな表現が、すごい……！！ (2021年5月27日 22時) (レス) id: d99cf3ac4a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きなこもち | 作成日時：2021年4月4日 20時
