2 ページ14
声がした方を見ると、そこにはくせっ毛の青年がこちらへ手を振っている
『ジャック!』
自然と笑みが溢れた
すぐさま駆け足でジャックの元へ駆け寄ると、ジャックは「おはよ」と短い挨拶を交わした
「…なんか、元気なくない?」
『え…なんで分かるの』
会って早々、彼は急に顔を覗き込み眉間に皺を寄せる
「そりゃ分かるよ」
何故か得意げに言ってジャックは笑い出した
そして私が抱えていた重い荷物をひょい、と持ち上げられ、たちまち体が解放感に包まれる
「さっさと運ぼう、
話なら聞くから」
『…ありがとう』
****
重い荷物を運び終えた私達はちょうど近くにあった木陰で休憩をとることにした
そして今朝の出来事を話してみると、ジャックはうんうん、と頷きながらも溜め息をついた
「またその話?
もう聞き飽きたんだけど。」
『話を聞いてあげるって言ったのはジャックでしょ…』
自由気ままなジャック
彼も私と同じく産んでくれた親がいない
幼い頃から彼は毎朝この街に来ては物を盗み、別の所で生活している
「大体この街から出ようとしないAが悪い。
ここは食物が豊富だけど暴力的なヤツらがいっぱいいるじゃん。
だから…Aの命が危ない」
『それはそうだけど…』
そう言ったって私はこの街から出ることが出来ない
『…幼い頃は私を可愛がってくれたんだ』
「……あのおばさん?」
『うん……』
見ず知らずの人とはいえ、あの人には数えきれないほどお世話になった
性格が変わったとしても、あの人は私にとって実の母親みたいなものだ
だから
『私、まだ"お母さん"にここまで育ててくれた御礼をしてないから、この街から出られそうにない。』
「あっそ…」
呆れたような、不機嫌な声
『…どこいくの?』
「帰る
またね」
そう言って彼はふらりと何処かへ足を運びだした
351人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「実況者」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ガオNA(プロフ) - ゆっくりさん» コメントありがとうございます!すみません、教えて下さりありがとうございます…!!今後から気を付けますね…! (2020年2月29日 18時) (レス) id: bc3fdf2a65 (このIDを非表示/違反報告)
ゆっくり - 曲パロは著作権に引っ掛かってしまうので消した方が良いですよ…(小声) (2020年2月29日 18時) (レス) id: 56664050fd (このIDを非表示/違反報告)
ガオNA(プロフ) - いきなりすみません、作者のガオNAからです。申し訳ございませんが、『4人の○○○』の4話にちょっとした話のミスがありましたので、その部分を直させていただきました。宜しければですがもう一度読み直して頂ければ幸いです。これからもよろしくお願い致します。 (2018年9月9日 12時) (レス) id: bc3fdf2a65 (このIDを非表示/違反報告)
ガオNA(プロフ) - ivさん» 了解!!!リクエストありがと!! (2018年9月9日 12時) (レス) id: bc3fdf2a65 (このIDを非表示/違反報告)
iv(プロフ) - バレンタイン時のすぎにゃんvsしゅーさんとかお願いできる…???? (2018年4月5日 13時) (レス) id: 14899ecff4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ