＊Orange sunshine＊【完結】【D.a】 (ページ9)

今日:5 hit、昨日:0 hit、合計:4,715 hit

９.浴衣ページ9

・

気合い入れて髪の毛をセットしてこないだ買った髪飾りを付けたら

浴衣を着付けてくれたお母さんが「浴衣とすごくマッチしてていいね！」って褒めてくれた。

シックな生成りの生地に朱色がかったオレンジの縞模様が入った浴衣はほんの少し子供っぽい気もしたけど

グレーに鮮やかな牡丹の柄が入った帯を合わせるとぐっと大人な雰囲気になって私の大のお気に入り。

有岡…少しは見直してくれるかな…なんてそんなワケないか。

中島「っおー！浴衣！めっちゃ可愛い！」

待ち合わせの駅ですぐに見付けてくれた裕翔くんがストレートにそんな事を言ってくれたけど

嬉しいけどやっぱり恥ずかしくて

A「浴衣が！可愛いんでしょ(笑)？」

ぷぃっとしながらそんなコトを言ってしまう。

中島「そんな事ないって！すげぇ可愛いよ、な！大ちゃん！」

有岡「え？あ…あぁ、うん…。」

テンション高く話してくれる裕翔くんとは対照的に

ちらりと私を見ただけの有岡は大して興味も無さげに答えた。

期待はしてない…てかしないようにしてるけど

もう少し見て欲しかったな…って自分で自分の浴衣を見てみた。

やっぱり子供っぽかったかな…真菜みたいに大人っぽいのが良かったかな。

ていうか、どっちにしろ有岡は私には興味無いってコトか…。

中島「ほら、行くよ！」

人混みの中を５人で歩くのは結構厳しくて履き慣れない下駄にも気を取られて

ようやく会場に着いた時にはなんだかちょっと疲れちゃった。

真菜は…知念くんと手繋いでる。

こないだかなりいい感じだって、話してたもんね。

裕翔くんと有岡はすぐ側で何か楽しそうに話してるけど…

花火が上がるまではもう少しあるし…どこかで少し休みたいな。

どこかに休めるとこないかなってキョロキョロしてたら

有岡「大丈夫？」

ちょっとだけ私を覗き込むようにしてそう言った。

A「っ！///」

さっきまで私の方なんて見もしなかったのに突然覗き込まれてびっくりして声も出なくて

思わずちょっと俯いてしまったら小さくため息をついた有岡が

有岡「あ～…ちょっと休む？」

そう言って少し人混みが少ない石垣の方を見渡しながら頭をガシガシッとかいた。