【好きです 鈴木くん!!】片想い、両想い 〜part1〜

＊21話＊ ページ23

輝と星野さんが出ていったあとも会場はざわざわしたまま





「戻ってこないね｡星野さん


まだ、オーディションの途中なのに


やっぱりあのまま、鈴木輝と…」








ちひろはフクザツそうな表情を浮かべている





大丈夫かな、ちひろ














すると、隣にいた忍がちひろの腕を引っ張る





そして、グイグイ進んでいく





「ちょ…忍!?


どこ行くの？まだ練習が…」


「今日は帰る｡


オマエもつきあえ」





グイグイと進み放さない忍



「何、勝手なこと言って…放してよ！」





「嫌だ





絶対、放さねー…」





顔を赤くして言う忍にちひろは何も言わなかった









ちひろと忍が進んでいった方をみつめる





また、胸がしめつけられる





あきられないとダメなのに


そう簡単にはあきらめられない





私が左手で胸を抑えていると





右手に感じる体温









横を見ると顔を赤くした望が私の手を握ってくれている





『望？』


「…」





何も言わない望に私は何も言わなかった









右手に感じる体温がとても安心して、





心地いい

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