【刀剣乱舞】僕に感情は不要だ(男主)

感情二十四つ ページ26

あの時の感覚はなんだったのだろう




手入れ部屋で手入れを受けながら僕は考えていた




あの夢を見た後の感覚に似ていた。もう感じたくないと思った嫌いな感覚だ




………“嫌い”？




嫌いって何…？僕に嫌いなんてものないでしょ？




でも、確か夢の最後に嫌だって思ったんだ




嫌も嫌いも意味合いは同じだ




僕には“嫌い”という感情があるの…？




ならあの夢を見た時も愛染が危ない目に遭った時に感じたあの感覚は嫌だって思ったから？




駄目だ、考える程余計にこんがらがって分からなくなってくる




主「はい、終わったよ。…どうかした？」




「何でもないよ」




僕は立ち上がると部屋へと戻った



＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿



部屋に兄さんはいなかった




(そっか、今日から遠征で三日間いないんだっけ)




いつも兄さんと二人の部屋が僕一人だけでまた心臓が変な感じがした




何か足りないような。何か抜けたような感じ




(何だろう…。兄さんがいる時は感じないのに…)




僕は先程のこともあったので書庫に向かった




医学的な本なら何か載っているかもしれないと思ったのだ


＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿


何か分かるかもしれない、と思ったが医学的な本にそれらしいものは見つからなかった




(これは医学的なものじゃないのかな？)




ふと本棚の下に落ちていた本に気が付いて手に取った




「『人の心と感情』…。これかな？」




ページをパラパラと捲り目的のことが書いてあるページを探す




「！ あった…」




見つけたページには今日感じた“嫌い”も“嫌”も載っていた




そこに書いてあることは正に自分が感じたものと同じで感じる場面も当てはまっていた




また、兄さんはいないことに感じたものもそこに載っていた




「“寂しさ”…。僕は兄さんがいなくて寂しかった…」




僕の知らない感情が分かっていく




スカスカのパズルにピースが当てはまっていくような感覚がした




僕は他にもどんな感情があるのか知りたくなったので本を自室へと持ち帰った

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