いいんですか？ Ren.N (ページ42)

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『こんちは。ながせです。

ほらな、やっぱり俺の言う通り退院できたやろ！
なんかもうあの頃が懐かしいな。

Aが入院してた頃、Aが笑ったら俺も嬉しくなったし、落ち込んでたら、なんとかして元気になって欲しかった。

それは俺が担当してる患者さんだからやって、ずっとそう思っとった。

だけど大阪戻ってもずっとAのことが頭から離れんくて、なんでやろと思ってたけど …

馬鹿真面目なAには馬鹿正直に伝えんと、伝わらんと思うからちゃんと伝えるな。

Aのことが好きや。

今更遅いよな。

退院おめでとう。では、お元気で。さようなら。』

好き？私のことが？またいつもの冗談？ああ、頭痛くなってきた…。

いつもの青空のレターセット。

永瀬さんの馬鹿。もう遅いのに。

締めくくりの挨拶は『じゃまた』から『さようなら』に変わっている。もう本当にさようならなんだ。

永瀬さんはなんて自分勝手な人だろう。

永瀬さんの連絡先なんて知らないし、手紙には送り主の住所もない。これを貰ってどうしろと？

私と永瀬さんの関係は何も始まってないし、これからも何も始まらないだろう。

永瀬さんは、きっと大阪に戻って東京が恋しくなってしまっただけだ。

きっと新しい環境で疲れておかしくなってるだけだ。