いいんですか？ Ren.N (ページ24)

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数を増やした薬の副作用で、私はこんこんと眠り続けた。

薬が切れて夕方に起きる。それから、真っ暗な深夜、孤独と闘いながら、泣き疲れて朝方に眠りにつく。

あの一件があって倒れてから、どんどん情緒が不安定になる。生活のサイクルがいつの間にか逆転した。

私は永瀬さんの働く時間に眠り、永瀬さんは私が不安で押しつぶされそうになっている時間に眠りにつく。

永瀬さんは夜勤を入れていないから、顔を合わせることも、話す機会もめっきりなくなった。

かつての恋人に場所が知られた以上、怖くて仕方がない。安全だったこの場所も崩れていく。
あの人は私をいつも苦しめる、昔も、今も。

“ 逃げようとしても無駄だからな ”

不運にもこの病院で出くわした時に言われた言葉が頭から離れない。

連れ戻されたらどうしよう。ここから出たらどうなってしまうのだろう。暗闇の中、毎晩そんなことを考える。

ぼうっとしていても、急に涙が溢れて止まってくれない。忘れたいのに忘れられない。苦しい。怖いよ。助けて、永瀬さん。

引き出しの中から、鉛筆と要らないプリントを取り出して、その裏に泣きながら書いた。

“ 助けて ”

こんなこと一言だけ書かれたって、永瀬さんはきっと困る。

何から助かりたいのか、どうやったら助かるのか。
そんなの分からないけど、もう縋り付けるのは永瀬さんしかいなかった。