いいんですか？ Ren.N (ページ17)

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カフェインのたっぷり入ったミルクティーを、病室で堂々と飲むわけにもいかず、コンビニの脇に置いてある水色のベンチに腰掛ける。

紙パックの口を開けて、透明なストローを挿し込む。1口飲むと、甘くて濃厚なミルクの味が口いっぱいに広がっていく。

飽きるほど飲んでいたミルクティーの味。懐かしいその味に、よくこの紅茶を飲んでいた当時のことまで思い出しそうになる。

「あれ、Aじゃね？」

突然名前を呼ばれ、肩がビクつく。聞き覚えのある声のする方に目を向けると、

「なんで … ？」

目の前に現れた2人組の男性。

切れ長の目、通った鼻筋、明るく染め上げられた髪をした片方の人物と目が合い、動けなくなる。
その整った容姿に目を奪われている訳ではなく、恐怖で脚が動かない。

ガタガタと身体が震え出す。早くここから逃げなければ。頭では分かっているのに立ち上がることも出来ない。

それは、かつての私の恋人。私を一度死の間際まで追いやった張本人。

見つかった。

私の居場所は教えていないはずなのに。

どうしてここに？なんで？また連れ戻されるの？

「お前さあ、俺から逃げようとしても無駄だからな？」

点滴に繋がれた腕を、その男に強引に引っ張り上げられる。

腕がちぎそうなほど握り締められて、痛い。怖い。

「やだ！やめて！」

必死の抵抗をする。無駄だと分かっているけど。

腕を引き剥がそうとするけど、寝てばかりいて体力のない私が、男の人に勝てるはずもない。

いくら力を出してもかなわない。

でも、もうあんなに苦しい思いはしたくない。もう自由になりたい。