幼馴染は意地悪社長 (ページ28)

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？「A！」

嫌いなお化け屋敷に入ってその中で怖くて腰を抜かして、その場でしゃがんだままになって居たら、聞こえるはずのない人の声が……

阿部「A」

「亮平……」

亮平は、いつもの悪魔の亮平とは違い、泣きかけてる私に優しく微笑みながら、頭を撫でてくれた

阿部「もう大丈夫だよ。俺が居るから」

「亮平………」

阿部「ほら立てる？」

亮平は、手を差し伸べてくれるけど、まだ腰が抜けていて立つことが出来なかった

「ごめん、腰抜けてて」

阿部「そっか。そしたら俺の首に腕回せる？」

そう言って、私の前にしゃがんだ

私は言われた通り、亮平の首に腕を回した。すると、私の膝裏に腕を通して勢い良く立ち上がった

「えっ！ちょっと、」

言わば、お姫様抱っこだ

阿部「まだ途中だし、Aが怖くてしがみついた時に、おんぶにしたら首締められて俺が大変だからこっちにした」

「何かすごい恥ずかしいんですけど」

阿部「腰抜けてるんだから仕方ないでしょ？動くよ。しっかり捕まってて」

「う、うん」

お姫様抱っこをされながらお化け屋敷の中を進んで行った

私は、怖くてずっと亮平にしがみついていた。亮平は『おー』だの『びっくりした』と少ししかリアクションをしてなかった。本当、この人はお化け屋敷強いな……

阿部「もう出口だよ」

亮平の声とともに、外の光が見えて来た

お化け屋敷を出ると

目黒「Aさん！えっ、社長？」

深澤「おかえり〜」

目黒くんとなぜかふっか先輩がいた

阿部「降ろすよ」

「うん。ありがとう」

阿部「Aが無事で良かった」

目黒「えっ、A？呼び捨て？どういうこと？」

そっか、目黒くんは知らないもんね。そりゃテンパるよね

すると、亮平が私をふっか先輩に渡した

阿部「ふっか先輩、Aの事お願いします」

深澤「はーい」

阿部「………目黒は、俺と少し話そっか」

「えっ？」

悪魔でもなくてさっきの優しい亮平でもなく、全く違う雰囲気で目黒くんにそう言った。妙な緊張感を感じてしまう

そして、目黒くんと目を合わして、目黒くんもそれに答えるように、先に歩いて行った亮平に着いて行った

「………ふっか先輩」

行ってしまった亮平と目黒くんを見て、急に不安になってしまってふっか先輩を見る

それを察してくれたのか『大丈夫だよ』と私の頭をポンポンしてくれた

私達は大人しく2人の帰りを待った