ヤンキーだけど後輩には甘い【HQ】

俺が同級生嫌いな理由 ページ28

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｢小5くらいからバレー始めて、自分で言うのもなんだけどまぁそこそこ上手くてさぁ、転校先の関西の中学でも続けてたワケ｣





普通は｢全然上手くなかったんだけど〜」とか言うんだろうけどめちゃくちゃ嘘になるからやめとこう。





｢んで、あっちの学校でバレー部入ったら3年は引退してて2年が主力になってて？

転校してすぐなのに俺が即スタメンになっちゃったからほんとはレギュラー入りするはずだった同級生から逆恨みされてさー。部活内で無視されるわプレーの邪魔されまくるわ散々だったんだよ。後輩たちは全然普通に接してくれてたけどな。まー何されても気にしない態度にイラついたのかある日の練習終わりにさ、｣






…言って大丈夫なのか？引かれね？






｢……バレー部の同級生数人に、体育倉庫で襲われたんだよ｣






誰かの息を飲む音が聞こえた。


白鳥沢はとっくに上がってたらしくここにはいないが、烏野、青城、音駒、梟谷に俺の一人語りを聞かれているこの状況、非常に恥ずかしい。





｢…それで怪我して、バレーできない、とか？｣





及川が言いずらそうに口を開く。普段ふざけてるように見えて、意外と空気とか気にすんのかな…




｢あー…襲われたってのは暴力的なのじゃねぇんだけどさ…いや、暴力っちゃ暴力か…
まあ端的に言えばごーかんってやつ？男相手に盛りやがってほんっと気持ち悪ぃ｣





嫌がらせだったんだろうが、よくもまぁ嫌いな奴を犯そうと思えるよなぁ…





｢まあ大人しくするつもりもねぇからぶん殴ったりして抵抗してたんだけど一人対大勢だったから分が悪くてなぁ、本気でやべぇってなった時に俺に懐いてくれてた後輩たちが入ってきて"あんたら自分が何してんのか分かっとんのか！"って怒鳴ってくれた上に"気付かなくて、守れなくてすんませんでした"って頭下げてくれてさ｣





結果的にやられなかった訳だしあいつらが謝る必要なんてなかったのに良い奴らだよな、ほんとに。





｢まあ同級生たちは停学ってことになったんだけど自主退学してった。同じ部活の男を襲ったっつー話が流れちまったしな｣





普通に考えて学校来れるわけねぇよな…被害者の俺でさえちょっと行きたくなかったし。





｢ま、俺が同級生嫌いで後輩好きなのはこーゆー理由。別に聞く価値もなかっただろ｣






先に上がる、と言い残して浴場を出る。


暑かったしな……嘘です誰も喋んなくて空気重くて恥ずかしかったからです。

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