120: 志願 ページ20
和也「俺に翔ちゃん達の技術を教えてくれないかな？」
翔「は？」
和也「研究者の一員として加わりたいんだ。」
翔ちゃんは作業を止め、目を丸くしている。
そりゃ、無理もない。
技術をしらないやつが……プログラミングの “ プ ” の字も知らないやつが言ってんだもんな。
目も点になるさ。
翔「お前、プログラミング出来んの？」
和也「んー………大学の時に、ちょっとだけカジったぐらい(^_^;)」
大学の時、講義の自由選択として、少しだけ受けた事がある。
興味があったから講義を受けたんだけど。俺が知っているのは初歩的な部分のみ。それ以上の事はシステム学科の人達しか受けられないから。
俺も、自分の学科の単位取るのに必死だったし。寄り道する余裕なかった。
時々、システム学科にしておけば良かったかな…って思ってたけど。
講義受けてから興味持ってた。
でも、その時はシステム系の仕事目指してなかったし、中途半端に大学辞めると親に怒られるから路線変更しなかった。
自分の学科の単位を取り、やりたい仕事もなく、何となく皆の流れに乗って就職活動して、今の会社に就いた。
別に今の会社には不満は持っていない。
やりがいも感じてるし、満足してる。一生懸命仕事してる。
でも、今は、あの時の自分に悔いている。
途中で辞めて、もう一度システム学科を受験しなかったのか。
そうすれば、少しはAを助ける手伝いが出来たかもしれないのに。
もちろん、大学の講義だけじゃ、翔ちゃんの技術を理解できるわけは無いのは分かってる。
でも、少しぐらいは何か出来たかなって思うと悔しいのだ。
和也「俺、悔しいんだ。何も出来ず、ただ側にいるだけなんて。何か手伝いたい。力になりたい………」
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作者名：さくらもち | 作成日時：2017年7月12日 17時
