地球防衛基地 ページ19
「よォ、久しぶりだな」
のれんをくぐれば見えるのは、俺にはガラクタにしか見えない売り物の数々。
Aの居ない万事屋はなんだか落ち着かず、いつか顔を出そうとタイミングを逃していたリサイクルショップ・地球防衛基地を訪れてみた。
例のテレビを仕入れた場所だ。
奥に見えたここの店主、十徳の娘は俺の姿をちらりと見た。
「また何かものでも壊したのかい」
「人を破壊神みたいに言うんじゃねェ」
いつも家具や家電を壊せばここに物色しに来てはいたが、ずいぶん失礼な物言いだ。
まあ、今日の要件もあながち間違ってはいないが。
「今日はこの前お前ンとこからもらったテレビあるだろ」
「ああ、あの古いブラウン管のね」
「あれが壊れちまってよ」
「どんな扱いすりゃテレビがすぐにぶっ壊れんだい」
「いや重要なのは壊れたことじゃなくてだな」
そういうと、店主は「はぁ?」と眉を潜め首を傾げる。
いかにも、わけがわからないといった風に。
「あのテレビ、誰から手に入れた」
そう問えば、店主は考え込んだようなしぐさをする。
少し考えたそぶりを見せ、店主は何かを思いついたように奥からゴソゴソと書類を出して来た。
「これがあのテレビの売買の契約書じゃないか」
契約書に乗る写真には確かにあのテレビそっくりな写真が添えられている。
使用年数5年。異常、キズなど、特になし。
短くそう書かれた契約書にはこの星の字じゃねェような、暗号の様な字面が並べられている。
「天人か」
「ああ、船で使っていたが必要がなくなったから、代金はいらないからとにかく引き取ってくれってね」
確かに売買契約書には、0円と書かれている。
「そんなにあのテレビが気に入ったのかい」
俺があまりにも真剣に契約書を眺めていたからか、店主は不審そうに俺を見る。
「毎日使う物にゃ、愛着湧くだろ?」
「そう思うならもっと大事に使いな」
「・・そうだな」
テレビを直す良い収穫は得られそうにない。
714人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「銀魂」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
微糖。 - 面白いです。続き待ってます。 (2020年5月31日 20時) (レス) id: 7154107f34 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい - 今までで1番好きな物語です!更新楽しみにしています。 (2020年3月29日 11時) (レス) id: cd8046c6bb (このIDを非表示/違反報告)
神阿(プロフ) - ソマリさん» ありがとうございます。これからもよろしくお願いします (2020年2月16日 22時) (レス) id: 9618de47fb (このIDを非表示/違反報告)
神阿(プロフ) - 淋さん» ありがとうございます。楽しんでいただけているようでうれしいです (2020年2月16日 22時) (レス) id: 9618de47fb (このIDを非表示/違反報告)
神阿(プロフ) - モンスターエナジー愛好家さん» 更新長らくお待たせしました。ありがとうございます (2020年2月16日 22時) (レス) id: 9618de47fb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:神阿 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kamiamatome/
作成日時:2017年11月23日 21時