【実ｼ兄者】ねぇ、好きだよ【短編集】 (ページ4)

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厨二病宇宙人ページ4

拝見、愛しい人へ。

なんて、こんな畏まって言うようなタイプじゃないけど。
だけどたまには言いたくなるもんじゃないか。

そんなこといつものメンバーに言ったらすっごい笑われるんだろうな…なんて思いながらも、その子のことを思い出す。

まぁ北海道にいた頃の話だから、今どうしてるのかは知らないけど。
高校の同級生だったAちゃんは、当時俺が好きだった人で。
話すようになったのは高1の冬…だったかな。確か期末試験の時に消しゴムが見つからなくてAちゃんに貸してもらったのがきっかけ。
そこから少しずつ話すようになった。授業が面白くなくて寝てた俺にいつもノートを見せてくれていたのもAちゃん。

優しいなぁって思いながら関わっていくうちに、俺はAちゃんに惹かれてて。
付き合ったのは高校卒業前くらい。まぁ高校卒業してからもちょこちょこ遊んではいたんだけど、俺もAちゃんも大学とかバイトもあったからだんだん回数は減ってきた。

気付いたら俺はFBに誘われてゲーム実況をしてるし、今は東京にいる。
まぁ言ってしまえば自然消滅っていうものなのか。
ふと思い出した時は、楽しかったなとか好きだったなとか思うけど東京に出てきて何年も経つともう会わないだろうなと思っていた。

｢えおえお…？｣
｢…え？｣

そう思っていた矢先だ。目の前にいたAちゃんはあの時と変わらない笑顔で立っていた。

｢なんで…？｣
｢ん？あぁ、私もね今東京にいるの｣
｢2年くらい前にね、引っ越してきたんだ｣

そう言いながらAちゃんがこっちに向かってくる。
俺は驚き過ぎて声を出せずにいた。

次気づいた時には、Aちゃんの頭がすぐそこにあった。

｢A、ちゃん？｣
｢えおえお、私ね今も好きだよ｣
｢今でも、えおえおのことが好き｣

─ もう会うことは無いだろうと思っていたのに、いざ会ってしまうとまた新しく何かが始まるんだ ─